2003年に制作され、日本でも大人気になった「宮廷女官チャングムの誓い」(大長今)は覚えておられますか。主人公チャングムの生き方や話の展開の面白さに惹かれて毎回見た記憶があります。主人公を演じたイ・ヨンエさんは韓国を代表するような美人で、世界中にファンの多い女優さんですが、パク・チャヌク監督「親切なクンジャさん」(2005年)を最後にしばらくスクリーンから遠ざかっていました。結婚や育児を経て14年ぶりにスクリーン復帰したのがキム・スンウ監督「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」(原題: 나를 찾아줘)です。
大阪でも新梅田シティーのシネリーブルで公開が始まったので見に行ってきました。あれから10年以上も経過しているのに相変わらずきれいで気品がある姿に関心しました。半分以上、彼女の魅力で見せる映画だと思います。
しかし映画の内容としては極めてシリアスで、鬼気迫るものがあります。愛する子供のために母親はどれだけ強くなれるかが描いています。
主人公ジョンヨン(イ・ヨンエ)は看護師として病院で働いていますが、夫とともに6年前に行方不明になった息子ユンスの行方を探し求めていました。しかし急な事故で夫を亡くし、失意のもとにあった彼女の元に、ユンスに似た男の子を郊外の漁村でみたという知らせが届きます。その場所をたずねていくと、彼女の前に釣り場を営む怪しげな一家がたちはだかります。村の人間は口を割らず、警察も非協力的。何かおかしいものを感じた彼女はいったいどうするのでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=WY1odOmjJi4
これ以上あらすじは書きませんが、映画の背後にある海辺の村はかなり怪しげな世界です。児童誘拐、虐待、労働の強要など、まるで韓国版「安寿と逗子王」みたいで、禍々しいものがあります。映画の中の設定であり、韓国社会で実際どうなっているのは分かりませんし、日本も含め他の地域でもあるのかもしれません。児童虐待などはもちろんいけませんが、国民の大半が貧困にあえぎ、失業者や超低所得労働者があふれる世の中はまさに国民に対する虐待そのものです。みんなが安心して暮らせる世の中にしたいですね。
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