韓国歴史ドラマはおすきですか。
今回ご紹介します映画は「観相師」(原題:관상)という映画で、観相とは人相見のことです。
以前に「世宗大王」という映画を紹介しました。世宗とは第4代国王で、ハングルを創制した国王で有名ですが、それだけではなく、朝鮮王朝の基礎を固め、王朝第一の名君として有名でした。
「観相師」はそれに続く5代文宗、6代端宗、7代世祖の時代を扱ったものです。文宗は世宗の長男ですが体が弱く、早死します。その後、文宗の息子が幼くして即位(端宗)しますが、世宗の次男である首陽大君(後の世祖)が王位を狙い、王宮で血生臭い殺戮劇が展開した時期でした。
そんな時代のこと、人の人相を見るだけで人の性格や将来まで見通せるという天才観相師ネギョンは、山の中の荒屋で、細々と観相しながら生きていました。やがて彼の能力を見つけた妓楼の女主人公に頼まれ、都の真ん中で観相を行い、大人気になります。
やがて時の高官金宗瑞氏の信頼を得たネギョンは宮中で仕事を任せられるようになります。しかし首陽大君に冷酷な逆賊の相を見た彼は、血で血を洗う権力闘争に巻き込まれることになります。果たして彼の運命はどうなるのでしょうか。
ともかく時期国王をめぐる首陽大君の野望は半端ではありません。反対派は徹底的に弾圧し、切り殺し根絶やしにする。あまりにやり方が凄すぎて夢に見そうです。なぜここまで血も涙もなく徹底的にできるのか不思議なくらいです。日本の徳川将軍家の後継争いなどはこれに比べたら随分おとなしいものに見えます。
また朝鮮王朝は崇儒抑仏、儒教を尊び仏教を弾圧した時代と言われます。でもその中でも仏教好きで知られる国王も存在し、その代表が世祖(首陽大君)なのです。あれだけド派手に殺生を行った国王が仏教好きなんて皮肉みたいですが、罪滅ぼしみたいなみたいな気持ちで寺を建てたり、仏教を保護したりしたのかもしれません。
主人公ネギョンには「スノーピアザー」「タクシー運転手」や「パラサイト」などで韓国トップ俳優となったソン・ガンホ、悪の象徴みたいな首陽大君には「オペレーションクロマイト」「神と共に」のイ・ジョンジェがつとめています。
(2013年 韓国 ハン・ジェリム監督)
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