素晴らしいの一言。見るたびに奥深い感動が広がる映画ですね。
日本植民地統治下の朝鮮。朝鮮語は禁止され、公用語として日本語が強要。このままでは、朝鮮語は消え去ってしまう。そんな滅亡も危機に瀕した言葉を残そうと、朝鮮語学会に集まり大辞典を作ろうとした人たちの熱い物語、それが「マルモイ」です。
何度見ても感動の涙があふれます。朝鮮総督府の妨害を受けながらも朝鮮語大辞典の完成を目指した話なのですが、人間の成長の話としても興味深いものがあります。
主人公のパンス(ユ・ヘジン)は盗みやサギなどで生計を立てていたお調子者で、学校に通ったこともないので、文字の読み書きも出来なかったのです。しかし朝鮮語学会の人々と出会ったことから字を学び、学びことの喜びを知り、母国語の重要性を認識するとともに、編纂事業にも重要な役割を果たすことになります。
また朝鮮語学会の代表を務めるジョンファン(ユン・ゲサン)は、最初はパンスを訝しく思っていましたが、彼の思いに触れるにつれ打ち解け、やがて無二の同志となります。
人と人のつながりにより、皆んなが精神的に深みを増していく映画と見てもいいように思います。植民地時代の朝鮮の話なので、日本人にとっては重い部分もあります。しかし知らなければいけない内容であり、ー見てよかったと思う思える作品です。
「タクシー運転手」「1987」「はちどり」「パラサイト」など素晴らしい映画が次々飛び出る韓国映画界の勢いはすごいですね。日本映画も韓国映画のように一層羽ばたいて欲しいです。
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