もう6月も終わり、7月になりますね。暑くて元気がなくなりそうな時も笑いで疲れをふきとばすのが一番、笑いながら、ほろっとできるそんないい映画をシネマート心斎橋で鑑賞しました。シネマート心斎橋は大阪におけるミニシアターのひとつ。日本、韓国、中国、台湾などを主体に、大手シネコンではかからない、小粒でおいしい映画を上映しています。
今回見たのは2019年のイ・ゲビョク監督「がんばれチョルス」(原題:힘을 내요, 미스터 리)。主人公チョルス(チャ・スンウォン)は通行人が思わず振り返るくらいの容姿と、まるでキン肉マンみたいな鍛え上げられた肉体を持っています。でも内面には知能障害を抱えており、頭脳は小学生以下の幼さ。そのギャップがいろいろと騒動の種になります。
そんなある日、チョルス自身も全く記憶がない実の娘セッピョル(オム・チェヨン)に出会います。セッピョルはまだ小学生なのに賢くまるで大人のようですが、骨髄移植が必要な難治の病にかかり子供病棟で入院しています。そんなセッピョルが大邱に行くというので、チョルスもついて行くことになり、二人の凸凹珍道中が映画の中心です。映画が進むにつれて、彼女は何故大邱に行きたいのか、チョルスはなぜ後天的な知能障害を負ったのか、セッピョルの母親はどうしているかなど、事実関係が徐々に明らかになって行きます。
ネタバレになるのであらすじはこれくらいにしておきますが、映画で描かれた親子の絆や病棟での子供たちの絆、2003年大邱地下鉄放火事件の惨状(回想)などは涙なくしてみれません。二人はどうなるのででしょうか。実際に劇場で見て確認してください。ベテランチャ・スンウォンがうまいのはもちろんですが、子役のオム・チェヨンも天才的にうまいです。彼女の演技も見物ですよ。