名探偵コナンから、平和な2人と試し書き
東西名探偵との話の前に描いていた下書きから
平和×リョウ香×快青


いつか、きっと


「その身体で、何処へ行くつもりだ?」

そっと部屋を出ようとしていたのを、背後か
ら声をかけてみた

ぎくりとした顔で振り返る顔は、まだ青白い

「青子ちゃん、捨てて行くつもりなのか?」

オマエさんの事情を深掘りする気はねーよ

ケガが治って、青子ちゃんの気持ちが落ち着
いたら、好きに出て行けばいいさ

ついさっきまで、泣きながら起きてたんだ
少しくらい、ゆっくり寝かせてやれ

青子ちゃんが眠る客間を指差し、オレは香が
居眠りしているリビングへと向かう事にする

ペコリと会釈だけして、部屋へ消えた後ろ姿
は、満身創痍を体現していた

減らず口を叩く余裕もねえ、と言うのが本音
だろうと思った

香もそろそろちゃんと寝かせねーとな

ふと、もう一つの客間から現れた人影


「何だ、高校生探偵はまだ起きてるのか?」


いや、と言う服部は、和葉ちゃんが熱が高いの
で、氷嚢を借りようと起きたらしい

香さん寝とるし、勝手に漁るのも悪いし、どな
いしようかと思うて、と頬を指先でひっかいた

氷嚢と、タオルを渡すと、すんません、と頭を
下げて飛んで行った

リビングのテーブルに突っ伏して眠る香は熟睡
していて起きる様子はない

さて、どうしたものかねぇ

香を抱き上げ、オレの寝室へと運ぶ

オレは枕と上掛けを持って、リビングに降りた

久しぶりに、グラスに氷を入れ、酒を注いで、
飲みながらソファに横たわると、服部が部屋か
ら出て来た

交換したタオルを洗濯籠に入れ、キッチンにあ
ったグラスや食器をさっさと洗い、カゴへ入れ
ると、おやすみなさい、と言って部屋へ下がる

出自のせいか、ぶっちゃけ、家系だけ見ると、
坊ちゃんなんだけど、変なところが武士っぽい
と言うか、何と言うか

変わったやつだなぁ、と思う

タバコを燻らせながら、ゆっくりと酒を口にし
て、久しぶりに静かな夜を過ごした

情報屋から、黒羽を追い回していた連中の情報
が流れ始めた

その情報のいくつかをピックアップして返信し
追加の依頼をしてから、軽く眠る事にした


明け方、今度は黒羽達が寝ていた部屋から、そ
っと青子ちゃんが顔を出す

「あ、あの、、」

快斗、何処ですか?と言う青子ちゃん

一緒に2人が使っていた客間に入ると、そこ
には小さな男の子が力尽きて倒れ込んでいた

to be continued