▪️28:00 still love her / side Kazuha 
※Bitter sweet の5年前です
                           まだ大学生の2人※

大学1年もあっと言う間に過ぎて行く
平次も私も、着々と授業を取り進め
飛び級すべく、必死で勉強もした

リビングにお互いの資料山積みに
して、黙々とキーボード叩いたり、
資料作成したり

「学校の課題みたいやな」

2人で机シェアして資料切り貼り
して、なんて、ちょっと懐かしい

平次も、ホンマや、と言いながら
伸びをした

「珈琲でも淹れようかな」

「あ、飲みたい」

コリコリと豆を挽きながら、今晩
は何にしようかな、とか考える

「平次、はいどうぞ」

一緒に珈琲を飲みながら、息抜き

友達と出掛けた時の話、平次が
関わった事件の話、あれこれと
お互いに話して、近況報告

普段、別々の時間が多いから、
一緒に居られる時は一緒に居る
コレが我が家のスタイルになり
つつあった

特に決めた訳では無かったんや
けど、自然と出来た習慣

こう言うのが積み重ねられて、
それぞれの家が出来て行くんや
ろうなぁ、と思った

平次とは、ひとつだけ約束をした

毎月、どんなに忙しくても1回は2人
でバイクを飛ばして出掛けよう、
近くでもええから、と

この間、哀ちゃんと話していて
気が付いたんや

子供を妊娠しとる可能性がある時と
妊娠しとる間、産んでからしばらく
は、バイク、乗れんやんと

アホみたいな話やけど、私、全然、
その辺の事、考えてへんかった

自分が社会人になって、子供を持ち
たい、と思う時期を想定して逆算
すると、もうそんなに時間が無い
やん、と気が付いたんや

平次と2年は離れ離れになってまう
から、当然その期間は乗せて貰う事
は敵わんし

平次とバイクと私
とってもたくさんの想い出があって
喧嘩も仲直りもした場所

2人きりになれる大事な空間
堂々と、平次にくっついて居られた
私の大好きな場所

しばらく乗れんようになってまう前
に、もう十分、と思えるくらい、乗
ろう
最近、車のお出かけが増えたけど
バイクもええやん、好きやし

「和葉、今度はどこがええ?
櫻はまだ咲いてへんけど、下見に
行ってみるか?」

平次は忙しい合間に、仲間に聞いた
り、色々とバイクのルートを捜して
くれとんねん

私も、1人の時は基本バイクで移動
やねんけど、最近、荷物や青子ちゃ
んらと一緒のお出かけが多いから
自然と車の率が高くなってた

平次は事件に出る時、ほとんど
バイクなんやけどな

平次にもらった日本と英国の白地図
当然、日本はほとんど埋まってへん
のやけど、英国は、近隣から少しず
つ色づいて来た

5月の誕生日祝いは、平次と協議の
結果、アイルランドへ行くことに
なった

近くやし、色々文化を学べるところ
で、あんまりみんなが行ったと言う
話を聞かないから

お互い、事前に色々調べておく約束

今回も、手配は平次にお願いした
やりたい、と、本人の希望や

それを楽しむためには、テーブルに
あるたくさんの資料とテキストに勝
たなアカンねん

今のところ、試験が終わって休みに
入ってから、桜巡りをして、5月の
終わり頃に行く予定

誕生日月は、結婚記念日もある
幸せいっぱいの5月は楽しみな予定
でぎゅうぎゅうや

「なぁ、たまには平次のカレーが食
べたいねんけど?」

「ん、ええで?材料あんのか?」

冷蔵庫やストックを探す
うん、バッチリや

平次がカレーを作ってくれる間に、
私はサラダやもう一品の支度

こうして一緒に家事をできる時間は
幸せな時間

色々な話をしながら、作ると、何故
か美味しいのが出来るんや

一緒に作って、一緒に食べて
後片付けも手分けして
たっぷり充電出来たら、また課題に
向かわないとね

私たちがどんな成果を収めてくるか
お父ちゃんたちはホンマに楽しみに
してくれとんのや

たくさんワガママを聞いてもらった
分、しっかりお返しせんと

期待を遥かに超えられるように、
頑張ります

気合いを入れなおして、また山に
挑みなおす私たちやった