★PEUGEOT PR10


当時のままを復活へのPR10を目的にリペアーを試みる・・・

半レストアによる必要以外は出来る限り当時のままの塗装を生かし、
劣化している個所のみ新しい塗装で全体的に綺麗なPR10を復活。
フレームの当時のものを最優先に生かしている。

触らなくていいところは極力そのままを大切にして、
「…ねばならない」的な考えを捨て、
完全レストアを避けた当時の香りが残る貴重な1台となりました。
40~50年近くも外での自転車の役目である以上は、
そこそこの見た目もある中で、
この方法により概ねご満足いただける綺麗なPR10としてご覧いただけると存じます。
特徴としては、
観て見ぬふりが出来そうな小さな当時ものの傷や擦れ跡は特にいじらずに
目立たないとして、
そのままにしている事も通常のレストア車とは異なります。
その分、
ビンテージ物の当時の雰囲気がそのまま感じられる様子も
一つの価値と言えるでしょう。
PEUGEOT PR10
右が当時の雰囲気を重視した「半レストア」による今回のもので、パーツではあえて当時のものと同じもので交換している。
左が「完全なレストア」によって真新しい感じで蘇らさせたもので、コンポーネントもPR10の復活で無く上級パーツでまとめている。いわゆる”PX10に迫る”と言ってもいい仕上げを目的にさせたもの。
つまり、制作意図の作業にかかる目的にはつくり上げようとするコンセプトがこの両者には違いがある事を指しています。

ちなみに左のPR10は1974年以前のモデルで、右は1974年以降の後期のデザインとなって居る。

【仕様】
コンポーネントもほぼPR10の当時の装備を再現して同等のもので組んで居ます

フレーム:レイノルズ531
フレームサイズ: CC54 CT52
BB:ストロングライト

フロントギアー:ストロングライト49 52-45

リアギヤー:アトム
Fディレーラー:サンプレックス プレステージ

Rディレーラー:サンプレックス クリティリューム

変速機レバー:サンプレックス クリティリューム


ブレーキ: MAFAC RACER

ブレーキレバー: MAFAC
シートポスト:イデアル

サドル:ブルックスB17

ハンドルステム:AVA


ハンドル:AVA


ペダル:レオタード

リム:NISHI
ハブ:ノルマンディー
【レストア作業】

2022年2月
神奈川県二宮町のT氏さまから譲っていただいたPR10です
こちらも元々はお知り合いの方からの購入で譲ってもらったと言う事でした。もう10年以上ずっと置きっぱなしだった事で、このほど私の所に来たと言う流れがあります。

フレームは概ね状態は良い方である事ではありますが、よく観ると結構傷と擦れが多く見られ、また前オーナーの元の持ち主による傷埋めの「タッチアップ」の跡が多くありまして、またそれが盛り上がって居たり、タッチアップの塗料自体のホワイトの色もベージュのように黄ばんでいる状態。

結局コンパウンドにより目立たなくさせる事で当初は考えていたものも、全体に施した後に観る限り、かなり目立っている後方側は劣化と傷跡、そしてこのタッチアップの数と色の変化で、フレームの中心から後方部にかけては全塗装の形でし直す「半レストア」と言う方向で考えることとしました。

写真では傷も見えにくくてきれいな状態に映りますが、コンパウンドで汚れや擦り傷の削ぎ落しでは解決できるほどの状態ではないので、結局は塗装を挟まないと「きれい」と言った感じが保てないものでした。
こちらの写真の後方側が今回の「全塗装」側となります

中心部から後方は全塗装で仕上げる事とし、その中心部から前側との境では、デカールの区切りで分けたり、それが無い場所ではマスキングにはテーピングの境をつくらず、覆いでかぶせる新聞紙の巻き部分の端っこでは、通常はこのテーピングでしっかりと分けての境ですが、ここでは口が空く形でぼかし的に塗装が入り込む形で、じわじわと新しい塗装と元々のフレーム塗装との馴染ませ方で処理して行く方法で今回の「レストア」作業は決めました。

塗装に当り、部品類のすべてを後方中心に外して、前のみのフロントホークとハンドルステムはそのまま付けた状態で作業は進めることとします。
フロントホークは、デカールとメッキ部をマスキングしてここだけは「全塗装」部にしてます。
ボコマ製のラグはブラック仕上げですが、カスレ部分と剥げ部分が混在しているので、筆による塗料入れの「タッチアップ」にて仕上げて、最終的なクリアー塗装があるので、全体的にその時点で艶のある綺麗なラグになる事で、タッチアップで進めることとします。

このフレームの材質を表す「レイノルズ531」のデカールは、それだけでなく、一つのフレームデザインの一部にもなって居る「顔」でもあるので、出来ればオリジナルのこのままを生かしたい。しかしながらもうだいぶ形も剥げて崩れていて修復するにはあまりにも細かすぎるのと、文字を再生するのはほぼ不可能と考えました。
これをすべて取ってしまって良い物か? それとも生かす方向は他に無いものか?
しばらくその決断には時間がかかりそうであります。

錆もそこそこあるので、部品のそれらはリペアーにより磨きをかける予定

作業は入り前に 次期手がける 「PEUGEOT PX10 」と並んでの記念に




手前の PEUGOET PX10 は後にまたレストア作業の模様をご紹介します
【作業開始】
部品類を外していく

先ずはフレーム自体がどのくらい傷と擦れ、塗装の劣化状況をみるために、全体を「コンパウンド」で磨き上げて行く

ヘッドの辺りはラグのブラック部分が擦れたりの色抜けと、傷による欠け以外はこのままを維持して残せる事が確認できる

この辺りになるとかなりタッチアップが目立って来ていて、それに合わせて傷も多く見られるようになる。またボトムブラケット付近は塗装の劣化と薄くなっている地が出ているので、この付近の全体は新しい塗装吹き付けで治さないとがあります。


ボトムブラケットの周りの個所はかなり劣化した塗料と剥げ方が大きいところなので、ここはしっかりと錆止めと本塗装で完ぺきに仕上げていく場所になりました。

コンパウンドで磨き上げた後に、その状態をみる・・・
ラグのタッチアップを後に補修するくらいで、フレームのホワイトはこのままを使う事に。

フレームの材質を表す「レイノルズ531」のデカールはこのようにもうボロボロ。
これをどうするか? なかなか決まらない。
削除してレプリカの新しい物を付けるか?これを出来る限り生かして修復できるところまでして残すかを決めなくてはならない。

このシートポスト付近では後方の塗装と一緒に吹き付けることに

メッキ部分は保護用のクリアー塗装を剥がして磨きをかける事で大丈夫そう
おおよそのイメージが決まって、不要個所と必要な補修箇所がだいたい決まって来る

ここは特に劣化しているので、先の説明の通りに重点的に真新しく塗装で復活させる。

いよいよ塗装作業に入って行く

不要個所のマスキングを施して、錆止めの塗料を吹き付ける
その後に、乾きを待ってホワイトの塗料の第一回目の軽くかぶせて行く
同時に細かい吹き付けにくい場所と痛みの深いところを部分的に塗装をしておく

既存のデカール部はこのままを生かすので同じ形にしたマスキングで塗装がかからないようにかぶせた。

本塗装中・・・ホワイトの色を2度塗りで下地の仕上げをしていく。

次にPR10用に用意したオリジナルの近似のホワイトを2度塗りする

もっともひどく劣化していたボトムブラケット部周辺は、しっかりと塗装をしてだいぶ見違えるほど綺麗になった。

フロントホークの塗装も終わり、完全に乾かぬうちにデカールのマスキングを取っておく。

次にメッキ部との境の「赤」「白」「青」「金」×2の4色5か所の色の補修をする。
写真は「赤」を筆により塗ったところ。
これを段階的に乾いては色を替えての塗りを施していく。

さあ~~、いよいよ保留のままに来た「レイノルズ531」のデカールの処理をどうするか?であります。
簡単にすべてを取り除いて、これと同じレプリカの「デカールシール」を貼り付けることが最も簡単です。 が、ゆえにはぎ取ったらそれでもう選択肢はここでおしまいであります。

これをもう決めないと先が進めないところにおいては、決断であります。

このべたつきもある材質の劣化も考えると、選択の余裕なく即座にはぎ取って新しいデカールを貼る事で解決するしかない。
とは言え、そこまで分かっていてそれを選ぶのが非常にもったいない。何とかならないものか・・・
しかし、文字の復活は不可能。 どうするどうする・・
そんな葛藤を抱きながら時間も無く、とりあえず途中までやってみよう。 それはこのデカールを生かす方向である。
先ずは四隅を回復させよう
そして枠を作りゴールドを入れていく
それからブラックの個所を埋めていく
そうこうしているうちに何となくのデカール自身の復活は出来て来た
しかし、文字は出来ない

ここをどうする?
・・・そっかあ~、文字が無くとも雰囲気さえ伝われば好いのではないか?
そうだ!そうしよう。
と決まれば、どんどん境目の区切りだけを綺麗に仕上げて、531の緑文字も薄いところに緑を重ねていく。
この出来上がったものが、この後から見せる写真の中で復活させたものであります。
そう!雰囲気さえ伝われば良い事なので、それ自体があたかも最初からきれいなままであったみたいに見えればそれで良し!であります。
お見せする写真もそんな感じで目にして頂ければと思います。


メッキとの境の4色5箇所の色付け補修が終えたところ




フレームの後方部の全塗装が終了して、その様子。





このデカールの下部のデザイン部分は元々のオーナーさんが補修した後があって、その事で色分けの区切り分けの部分や黒と白の四角い形も正確でない事で、それも修正をする。

シートポストの付近もかなり剥げ落ちてい居たので今回の後方全塗装で改善している。


最後の全体に施す「ウレタンクリアー塗装」を終えて
フレームのレストアは終了です
【部品取り付け】

リアディレーラーは手持ちのサンプレックスクリティリュームがあったので、ラベルのプレートが付いているものに変更

塗装の乾燥の合間合間で進めていた部品類のリペアーが済んだものから、徐々に取り付けて行く

ハンドルのブレーキレバーは、当初は高級種のコンペテーションのマファックが付いていたが、元来の「PR10」を復活と言うコンセプトでつくり上げている事で、そのブレーキレバーは、そもそものPR10に起用されてついているマファックの同様の物を取り付けました。

フロントディレーラーもそもそものPR10についているものに変更
フロントギヤーの「ストロングライト49」は、このPR10には付いていたものをリペアーにより磨き後、再度取り付ける。

チェーンも最後に取り付けておおよその終了となる




【完成】
2022.6.4

ここに1974年頃の
PEUGEOT PR10
が登場する