三島由紀夫が本格的に小説を中心とした著作活動に入る前、本名「平岡公威」以外に
「平岡青城」「平岡公雄」「平岡雪翁」等のペンネームで詩集などを書いていた。
閑話休題、 数年前に当ブログに書いたが、昭和31年の雑誌「新潮3月号」に
“作家の24時”として31歳の三島由紀夫が自分の日常生活に就いて詳細に書いている。
今から67年前だ、彼の執筆は常に深夜から早朝とは、知られてはいるが果たして、
起床時間:午後1時~3時/洗面、入浴20分 和風ガス風呂/歯磨き LION葉緑素入
洗顔は夏も冬も絶対に水だけ/頭の手入れ:ヘアレール及びワセリン・クリール・
ヘアトニック/剃刀 GILLETTE(刃も)
朝食:午後1人で1時過ぎ 牛乳入り紅茶、時々玉子、フレッシュ・グレープフルーツ、
トースト二切れ、食後にダブル・ヘルス3錠
朝刊:朝日、毎日、読売、日経新聞を食卓で/最初の煙草、「光」2,3本、1日に3箱、
パイプもフィルターも使わず、午前の時間睡眠中、昼食無し/訪問客は不定、
なるべく用事は電話で済ます。
執筆:近所の文房具店の原稿用紙、Parker51万年筆、机は冬には炬燵/電話不定
午後の時間:1日おきにボディービルディングをやる/外出:映画、夕食、ダンス等々
夕刊:朝刊の各夕刊に東京新聞を加う
【1日おきにボディービル】
夕食:1週間のうち4~5回外食(6~7時)至る処で喰らう、店は一定せず。
読書不定/夜の時間不定/ラジオは滅多に聴かず、テレビを買って1ヶ月程は
丹念に見たが其の後は滅多に見ず。
就寝:午前4~6時 パジャマ、薬品不要1人
深夜の時間:家中皆寝ている、家人が起きている間に夜食を取る、更に腹が空けば
冷蔵庫を開けて探す。
【剣道は、吉川正美7段に師事し5段錬士の腕前、空手は初段】
事程左様に、昼夜逆転の執筆中心の日常だった、30歳頃は未だ剣道、空手、拳闘等は
本格的に始めてはいなかったが、三島は特に剣道、空手では有段者になったが、この
日常生活では練習は相当に過酷だった筈だが、精神力も半端なかった訳だ。