愛媛県よりご来店をいただきましたBMW 320iツーリング、走行距離は約49,000km。
ATF圧送交換と数か所のコーディングの依頼をいただきました。
アンダーカバーを外して、ドレンアウト。
こちらの車両はX-Drive(4WD)で、フロント駆動用のシャフトが邪魔になるので
縁切りをしておきます。
オイルパンを外しました。走行距離の割に汚れているように思います。
フルードラインからも抜けるだけ抜いておきます。
BMWのATオイルパンは樹脂製で、脱着時には交換が必要になります。
再使用、もしくは安価な社外品をすると高確率でフルードが漏れます。
漏れると結局は交換が必要になったり、最悪は走行不可能になりますので
安全の為、再使用や出所不明部品の持込はご遠慮いただいております。
樹脂製パンを再使用不可のアルミボルトでの取付。
締付順序確認とトルク管理は必須です。
締付トルクと角度、両方を測れるスナップオン社製デジタルトルクレンチ。
新品のアルミボルト。
トルコン太郎を接続して、圧送交換開始。
真っ黒から
綺麗になりました。
トルコン太郎を切り離して、元通りに組付けます。
フルードラインのOリングももちろん交換。このOリングが580円、2個で1,160円、高い。
この部品代の高さが、輸入車整備は高額だと言われる所以かもしれません。
少しでも整備コストを下げられないかと、Oリングメーカーを色々と調べましたが
近似値な物はあっても、ドンピシャな物は見つかっていません。
対フルード性能もあって、今は純正品を使用しています。
レベル調整にはBMW純正診断機を繋ぎます。
指定油温まで上昇を待って、オーバーフロー。
シール一体なのでフィラプラグも新品交換で完成。
コーディングの依頼は
デイライト有効化、アイドリングストップモード記憶、タッチウィンカー回数変更。
デイライト有効化、これでiDriveにデイライト項目が出現しますが
点灯させるにはもう1か所書き換えが必要です。
アイドリングストップモード記憶。
タッチウィンカー回数変更、デフォルトの3回を5回に書き換えます。
交換後、数日してユーザー様よりメールをいただきました。
※抜粋 文中の8HPとはBMW等に搭載されている8速ATの事です。
＞交換後の車両の変化をご報告させていただきます。
＞交換前に若干感じられた1速→2速、2速→1速のシフトショックが
＞全く感じなく無くなりました。
＞8HP本来の性能が復活したようで嬉しいです。
安くない整備費用を頂戴している訳ですから、この様な連絡を頂ける事は大変うれしく思います。
しかしながら、全てのユーザー、全ての車両で改善を感じ取れる訳ではありません。
元の車両状態やの個々の乗り方感じ方によっても変わってきます。
ATF交換の依頼を頂いた場合、事前に見ていただく注意書きの中の一文です。
※抜粋
＞ATF/CVTFの交換はより良い状態に保つためのメンテナンスであり、修理ではありませんので
＞交換後のフィーリングや不具合の改善をお約束するものではありません。
ATFの劣化に起因する症状が発生していれば、ほぼ改善されます。
逆に言えば、発生していなければ変わりませんし、発生していてもATFが原因でなければ改善されません。
そして最後に、一番よく頂く質問。
Q 「ATFを交換すると壊れますか？」
A 「壊れません」
これに関しては、懇意にさせていただいている事業者様が近々のブログに書いてありますので
気になる方は一読してみてはいかがでしょうか。
愛媛県のフリークさん。
何度もお会いして色々なお話をさせていただいています。
非常に真面目で熱心で愉快な方です、私など足元にも及びませんが、常に良い刺激を頂いています。
※リンクの許可を頂いております。
お仕事のご依頼お待ちしております。