人形浄瑠璃について調べました。
人形浄瑠璃とは、江戸時代以降、歌舞伎とともに人気を集めた日本の伝統演劇です。文禄慶長年間(1592~1615)に、人形操りと浄瑠璃と三味線が結びつき、京都で生まれました。
浄瑠璃は15世紀中頃に生まれた語り物です。太夫(だゆう)は独特の節回しで、物語の展開や台詞を語ってきました。
浄瑠璃本には、全編を一冊に収めた丸本(まるほん)、一つの段を抜き出した稽古本(けいこぼん)、太夫が床(太夫座)で語る時に使う床本(ゆかほん)の3種類があります。
三味線は16世紀末に日本に伝わった中国の三絃を改良した楽器で、人形浄瑠璃では登場人物の心境の表現に使われます。
元禄期(1688~1707)、竹本義太夫(義太夫節を創始した浄瑠璃太夫)や近松門左衛門(曽根崎心中を書いた浄瑠璃作家)が出て、人形浄瑠璃は大きく発展しました。
18世紀前半の道頓堀では、地味で重厚な芸風の竹本座と派手で技巧的な芸風の豊竹座が人気を競い、18世紀中頃に人形浄瑠璃の全盛期を迎えました。
三人遣いが考案されたのもこの頃です。これにより、人間では表現できないような複雑な動きが出来るようになりました。
人形の胴体は空洞。綿入りの服で人の体のような膨らみを出しています。
文化年間(1804~18)以降、歌舞伎に人気を奪われ、人形浄瑠璃は衰退。今日では「文楽」と呼ばれ、古典芸能として国の保護を受けています。
1984(昭和59)年、人形浄瑠璃専門劇場として大阪に国立文楽劇場を開設。1955(昭和30)年に国の重要無形文化財に指定され、2008(平成20)年、人形浄瑠璃文楽として世界無形遺産に登録されました。