宝厳院の庭園 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 宝厳院門前に祀られている嵐山羅漢。

 

 この嵐山羅漢を見て、ここが2回目であることを思い出しました。

 

 初めて訪れたのは2年前の初夏。緑が青々していたのを覚えています。

 

 宝厳院は天龍寺の塔頭で、1461(寛正2)年、室町幕府の管領細川頼之により、夢窓国師第3世の孫にあたる聖仲永光禅師を開山に迎え、創建されました。

 

 獅子吼の庭は、室町時代に中国に2度渡った禅師、策彦周良によって作庭されたとのこと。

 

 須弥山を現す築山、その前に人生を思わせる苦海(空池)が広がり、対岸には雲上三尊石があり、苦海の中には対岸に渡る舟石、仏の元に渡る獣石が配置されています。

 

 奥には中国黄河の上流に有ると称される登龍門より龍門の瀧があり、その瀧壺には鯉魚石を配し、修行の厳しさを表現しているとか。

 

 灯台躑躅(ドウダンツツジ)の葉は、燃え盛る炎のように赤く、

 

 モミジもドウダンツツジに負けず劣らず紅葉していました。

 

 こちらがドウダンツツジの葉。

 

 こちらがモミジの葉。やはりモミジの葉は風流です。

 

 目の前に立ちはざかる碧岩。

 

 その向こうには色とりどりの紅葉。

 

 この庭のシンボルとも言える獅子岩。獅子吼には仏が説法するという意味があり、古人はこの庭で無言の説法を受けたようです。

 

  無言の説法とは、の庭を散策して鳥の声や風の音を聴くことにより、人生の真理や正道を肌で感じること。

 

 羅漢は釈迦の弟子で、そこから崇高な修行者を指す言葉になりました。

 

 無言の説法により、悟りの境地に至る。本来はそんなコンセプトの庭でした。

 

  色づき具合といい、光の入り具合といい、こんなに美しい紅葉は初めてです。

 

 この紅葉が見れただけ満足でした。

 

 通路沿いにお店があり、立ち寄りました。

 

 お土産は宝厳院限定の嵯峨野詩情にしました。どうも限定という言葉に弱いです。

 

 お釈迦様の弟子たちが、お盆に僧侶たちに振る舞ったという落雁。まだ食べていませんが、味は何となく想像できます。

 

 紅葉のトンネルは門の前まで続きました。

 

 紅葉の向こうには嵐山がかすかに見えます。

 

 宝厳院の前は車の出入りも多く、警備員の方が交通整理をしていました。