生野銀山(鉱山資料館②) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

鉱石について調べました。

 

熱水鉱床

 今から7000~6500万年前、日本列島はアジア大陸の一部でした。1700~1500万年前に日本海ができ、300万年前に火山活動の時代に入り、2万年前に現在の日本列島ができたと云われています。

 

 7000万年余りに渡る地殻やマントルの活動によって、地表近くにさまざまな鉱床(こうしょう)が生まれました。なかでも熱水鉱床は日本のあちこちに分布し、金銀銅などを含んでいました。

 

 

火山岩と深成岩

 マグマが冷えて固まると「火成岩(かせいがん)」ができます。地表に出てきたマグマが急に固まってできたのが「火山岩(かざんがん)」で、マグマが地表に出ずに地下にいたまま長い時間をかけて固まったのが「深成岩(しんせいがん)」です。

 

 火山岩のつくりは形が分からない鉱物(石基・せっき)と形が分かる鉱物(斑晶・はんしょう)から成り立つ「斑状(はんじょう)組織」で、代表種は流紋岩(りゅうもんがん)・安山岩(あんざんがん)・玄武岩(げんぶがん)。深成岩のつくりは同じぐらいの大きさの鉱物の粒で成り立つ「等粒状(とうりゅうじょう)組織」で、代表種は花崗岩(かこうがん)・閃緑岩(せんりょくがん)・斑糲岩(はんれいがん)が挙げられます。

 

 

生野鉱山

 生野鉱山は、中世代白亜紀末(7000万年前)の花崗岩質岩の鉱化作用で、それ以前に噴出した流紋岩・玄武岩・安山岩の中に鉱脈群を形成しました。

 

 生野鉱山が発見されたのは807(大同2)年で、本格的な採掘が始まったのは1542(天文11)年です。銀石が発見され、鉱脈の縞の中から金属を取り出せるようになりました。右の写真は銀石の一部を拡大したもので、黒い部分に銀が含まれています。

 

 鉱石1トン当たりの含有量は、金が0.2g前後、銀が200~600g、銅が0.05%、鉛が20%、亜鉛が16%ととても少なく、抽出は大変困難な作業でした。

 

 中世は銀山として栄え、近世では銅・鉛・亜鉛・錫を主としました。閉山した1973(昭和48)年までに採掘した鉱石は70種以上にも及んだと云われています。主に黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・錫石・鉄重石を採掘しました。

 

 

 生野鉱物館に入りました。

 

 1階にも鉱石が展示されていました。

 

 2階は鉱石資料館で別途料金が要ります。今回は時間が無かったので入っていません。口コミによると、内容が専門的で難しいようです。