梨木神社 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 梨木(なしのき)神社は、1885年に創建され、明治維新の功労者、三條実萬(さねつむ)と実美(さねとみ)父子を祀り、三條家の旧邸が梨木町にあったことにちなんで名づけられました。

 

手水舎の井戸「染井(そめのい)」の水は京都の三名水の一つとして有名です。

 

 三條実萬は、1812年以来47年間、光格(こうかく)、仁孝(じんこう)、孝明(こうめい)の三代の天皇に仕えました。皇室の中興に尽くしたため、幕府と対立し、その圧迫により一乗寺に幽居し逝去し、「忠成公」の称号を与えられました。

 三條実美は幕末期に尊王攘夷運動の先頭に立ち、明治維新後は太政大臣に就任。死後「正一位(しょういちい)」の称号を与えられ、父と合祀されました。

 

境内には、萩がたくさん生い茂っていました。

 

湯川秀樹の歌碑がありました。

 千年の 昔の園も かくやありし 木の下のかげに 乱れさく萩

 湯川秀樹は日本人初のノーベル賞受賞の理論物理学者です。梨木神社「萩の会」の初代会長を務めていたそうです。

 

雨月物語の作者で知られている上田秋成の終焉の地でもあり、歌碑が奉納されていました。

 ふみよめば 絵を巻きみれば かにかくに 昔の人の しのばるるかな

 

小さな境内にちょっとした歴史がつまった神社でした。この日の散策はこれで終わります。