相楽園は関西屈指のつつじの名所です。神戸市民なので何度か足を運んでいますが、つつじがある庭と無い庭は全然違いました。
濃いピンク、薄いピンク、白。3色のつつじが色鮮やかに咲いていました。
つつじの王道を征く平戸(ひらど)つつじ。長崎県平戸(ひらど)市で自然交雑により出現した品種です。
相楽園の一番の見どころは、この池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の日本庭園です。
相楽園は、元神戸市長・小寺謙吉氏の先代、小寺泰次郎氏の本邸に営まれた庭園で、明治末期に完成したものです。
1941(昭和16)年以降神戸市の所有となり、中国の古書「易経」の一節にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園(そうらくえん)」と名付けられました。
飛び石の上を歩き、洞窟をくぐりました。
洞窟は石を積んだだけなのに、崩れないのが不思議でした。
池に浮かんでいる建物は、川御座船(かわござぶね)の屋形でした。江戸時代、姫路藩主が河川での遊覧に使っていた船の屋形部分だけが陸揚げされたもので、建造年代は1682~1704年の間と推定されています。1980(昭和55)年に移築。国内で唯一現存する川御座船で、重要文化財に指定されています。
ここにはかつて「又新亭(ゆうしんてい)」という茶室がありました。戦火で焼失し、今はその跡地が保存されています。
又新亭の近くにつくばいがありました。つくばいは、手洗いの水を溜める手水鉢を中心に、人がしゃがむ前石、湯桶を置く石、灯篭を置く石で構成されています。
戦後、又新亭の代わりに「浣心亭(かんしんてい)」が建てられました。
池泉回遊式庭園から芝生広場に出ました。つつじ遊山祭りの期間中で屋台もあり、多くの人で賑わっていました。
一番最初に通路から見た松の庭を、今度は芝生広場から見ました。どちらから見ても同じように見えて、とてもよくできた庭園でした。