東京・五反田のサードシー建設・東京支店前。

セメント事業協会との会合に向かおうと、支店ビルを出てきたサードシー建設東京支店の支店長・宮田誠司(42)に、近づく人影がある。――ペットボトルを手にした森野京子、44歳。京子は、宮田に近づき……彼のコートに火を放った!悲鳴を上げてのたうつ宮田。そんな宮田に京子が叫ぶ。

「あんただけは許さない……死ねばいいのよ!」

京子はすぐに宮田の秘書に取り押さえられ、宮田は駆けつけた警備員に火のついたコートを脱がされた。

宮田と妻の宮田江美(39)が救急病院の廊下を来る。軽い火傷で済んだ宮田。

そこへ五反田警察署の刑事、松村と曽根が来て、聞く。

「犯人は森野京子という人物なのですが……。彼女になにか恨まれるようなことは?」

「そんなのありませんよ!……名前も聞いたことがないし、顔も初めて見たんです!」

五反田署。京子が、松村と曽根の取調べを受ける。京子は言った。

「……あいつが私を殺そうとしたの。だから私が先に殺してやろうと思ったのよ!」

検事室。耀子と大山の前に、京子が来ている。

京子は面倒臭そうに耀子を見る。

「これからあなたの被疑事実について取調べをします。ただし、あなたには黙秘権がありますので、言いたくないことは言わなくて結構です」

動機を聞く耀子に、京子は警察で言ったことをくり返した。

「私はあの男に殺されかかったのよ。……支店長だかなんだか知らないけど、偉そうに大きな家に住んで……あいつの家、私のアパートから見えるの……何日か前、私が仕事から帰ると……」

宮田の車が、背後から京子の方に寄って来た。京子はそれを避けようとしたが、転倒してしまったという。だから殺される前に、宮田と殺そうと思ったのだ……京子は言った。

その後、事件は、船と列車を使ったアリバイトリックの謎が耀子たちの前に立ち現われ、更に第2第3の事件が勃発、耀子と大山のコンビは、医学とアリバイトリック崩しに奔走していくのだった。やがて現れる意外な真犯人とは…。

 

津田寛治、あれだけ自分勝手なら人間なら、恋人を非情に捨てることもできたと思うけど、何で殺したのかな?

そんな強欲な男以上に淑やかそうな妻が恐ろしかったというオチでした。

 

津田寛治の自宅もよく出てくるね。

今回は門が燃える場面があったから門だけ違ってたけど。

 

朝日奈耀子 東京地検刑事部・検事 眞野あずさ

大山 聡  東京地検・検察事務官 内藤剛志

倉持哲也  東京地検・刑事部長  北村総一朗

宮崎礼子  小料理屋の女将    大島さと子

森野京子   国生さゆり

宮田誠司   津田寛治

新藤朝子   遊井亮子

宮田江美   中原果南

根岸裕一   本宮泰風

松村刑事   山本紀彦

今井刑事   若林哲行

新藤健二   筒井 巧

津山友子   浅川稚広