http://www.sankei.com/column/news/160824/clm1608240005-n1.html

2016.8.24

最近、中国では国内外の情勢が緊張している。国内では共産党の中心から末端まで汚職が広がり、貧富の差が拡大し、経済成長を支えてきた貿易も失速した。来年の共産党大会が近づき党幹部の権力闘争も激しくなっている。

 他方、隣国との関係も緊張している。仲裁裁判所の裁定を無視した南シナ海における中国の行動は、周辺国との関係を悪化させ、東シナ海でも漁船と公船を日本の領海に侵入させて日本との関係を悪化させている。東シナ海や南シナ海で対立を煽(あお)る中国共産党は何を考えているのか。

中国共産党も共産主義政党ならば、最終目標は全世界の労働者と団結し、全世界の資本家を打倒する世界革命である。共産党の道具である軍や政府もあらゆる手段を駆使して世界革命を実現しなければならない。これが共産党の基本構造である。

 しかし、拝金主義が蔓延(まんえん)する現在の中国で共産主義は人気がない。そこで共産党の目標は「世界革命」から「中華民族の偉大な復興」に変わった。共産党の道具である軍と政府は、あらゆる手段を駆使して「中華民族の偉大な復興」を実現しようとしている。

中国外交には「強制外交」、すなわち相手を威嚇することによって「同意」を強制する傾向がしばしば見られる。他方、中国軍には「軍事外交」という概念があり、軍が武力で相手を威嚇し、「同意」を強制する「外交」をすることがある。東シナ海と南シナ海では軍と外交が一体化して軍事力による影響圏拡大を目指している。

 中国では共産党が頭である。右手と左手が軍と政府(外交部)であり、利き手は右手(軍)である。右手(軍)が強硬派で左手(外交部)が穏健派という見方は意味がない。右手と左手の動きは頭が決める。中国憲法によれば、全ての国民は共産党のために働かなければならない。中国共産党は簡単に解決できない構造的な問題を抱えている。共産党が資本主義経済を実行しているという根本的な矛盾は、共産党が資本主義政党に権力の座を譲るか、資本主義経済を廃して共産主義経済に戻り再び全国民が平等に貧しくなれば解決する。しかし、経済発展を正統性の根拠とする現在の中国共産党がこの2つの道を取る可能性はない。

国内問題を国内で解決できなければ、国内問題を国外に転嫁する道が残っている。国内改革は利益を得る者と失う者を生み国内を分裂させるが、外敵の脅威は政府が不人気であっても国内を団結させる。そのために中国は東シナ海と南シナ海に出てきたのである。これが「中華民族の偉大な復興」の本質である。

 中国共産党が仲裁裁判所を無視し周辺国との摩擦が大きくなれば、中国に対する国際社会の評価は下がる。しかし、仲裁裁判所に従えば、共産党の国民に対する説明は間違っていたということになり、共産党に対する国民の信頼感は低下する。共産党にとって、国内で国民の不満が高まり体制が不安定になるコストは、国際社会における評価が下がるコストよりもはるかに大きい。仲裁裁判所を無視する行動は、権力を維持しようとする共産党にとって合理的な行動である。

 しかし、経済発展を貿易に依存する中国にとって、国際法を無視する国家であるという評価が国際社会に広がれば、中国のソフトパワーは弱まり、外国における経済競争と政治的影響力に深刻な悪影響を与えるだろう。独裁国家では、独裁者の利益と国民の利益が一致しないことが多い。

中国の周辺国は中国の国内問題に介入できず、問題を解決する力もない。国内問題に起因する中国の違法な行動に抵抗するためには、中国の「強制外交」や「軍事外交」を拒否できる必要十分な軍事力を保有しなければならない。

 ただし、日本が防衛力を増強する際に考慮すべき点が2つある。1つは、日本が防衛のために軍拡すれば、中国も対抗して軍拡し、軍拡競争が発生して、日本が軍拡する前よりも戦争の危険が大きくなる(セキュリティー・ジレンマ)という説である。本来、セキュリティー・ジレンマは、何もしなければ平和が保たれる平和国家間で成立する理論であり、一方が侵略的国家である場合は成り立たない。侵略を抑止する防衛力強化は、国民の安全を守る政府の義務である。

 また、「長い平和」と言われた米ソ冷戦が証明したように、合理的な国家間の軍拡競争は戦争を抑止する。軍拡競争のコストは戦争のコストより小さく、合理的な国家はコストが小さい方を選ぶ。中国はコストを計算して行動する。

 もう1つは、軍事同盟を支える要は共通の敵の存在であるという点である。日本の防衛力強化に日米同盟は不可欠であるが、現在の米国では中国の脅威よりもロシアやテロの脅威がより強く認識されていることを忘れてはならない。(東京国際大学教授・村井友秀 むらいともひで)

 

感想

九条守ろう信者さんや基地がない日本こそ武力が無い日本こそ平和だよと吹き込んでる人達って何考えてるんだろ?

軍事で挑発してるのは安保法可決や九条改正しようとしてる日本じゃないんだけど。

無責任な権力者達は自分の今や幸せしか考えてないから九条守りたいのだろうね。

九条守ろうとか平和的解決を望もうとしてる人こそ中国で政治家にでもなって中国の軍事拡大を阻止してきた方が余程平和を守れる。

日本で平和を訴える権力者や政治家こそ中国へ移住お願いします。