🟨①ディーガジャーヌ経〖増支部〗【生かして生きる・慈悲喜捨の実践によって逆境を超えて幸せに生きる】今生の幸福の四因・財産を無駄遣いする四つの項目【令和6年6月04日】
🟦YouTube で見る
🟥https://youtu.be/LDnGagY28RM?si=N5FHxbM1o2rHvYcP

🟨1️⃣🌃🌎️〖レジメ資料〗
【逆境を乗り越えて幸せに生きていくために】
🟪仏教の考え方
🔶《生きることは苦なので、順境は成り立たない・有り得ない》
🔷仏教的に言えば、既に逆境なので順境になったということはない。

🪐常に逆境の中で生きている人々に対して、仏教のアドバイス ➡️  道徳〖戒【善 】〗を守って生きる

🪐我々の性格を直すワクチンとして仏陀が教えたのは、慈悲喜捨の実践。

🔶「慈悲喜捨を素直に、正直に実践してみましょう」とお釈迦様は教えられました。
🔷素直に実践していけば、確実に性格が直っていくことが実感できる、と教えられます。

🌟【生かして〖利他〗生きる〖自利〗やり方】

🔶慈悲喜捨の精神を確立した人には「逆境」は成り立ちません。
🟨その人にあるのは、生老病死といった基本的な問題だけであって、その他に苦しみは存在しないと教えられます。

🔷お釈迦様は、怨憎会苦や愛別離苦など、八つの苦しみを説かれていますが、
🟨慈悲喜捨の実践者にとって「生老病死」以外の苦は、気にならない程度に減ってしまいます。

🔶「生老病死」は残りますが、これは、どうしようもありません。
🟨しかし、慈悲喜捨を実践する人は、生老病死に悩むことはない。
🔷それは当たり前のことに過ぎないからです。
🔶「だから何?」という感じで、慈しみに満たされた心で生きていけます。

🔶慈悲喜捨によって逆境に打ち勝ち、同時にその人は素晴らしい人間へと心が成長し、進化するように導いていかれるのが、お釈迦様であります。
🔷慈悲喜捨の実践を俗っぽく言えば、「生かして生きる」ということです。
🔶「生かして生きる」アプローチこそが、私達に仏教の推奨する生き方なのです。

❇️安定した在家生活をするには?
1️⃣🟨この世で幸福に暮らせる項目
2️⃣🟨財産を無駄にする項目
3️⃣🟨死後も幸福になる項目
🟩それぞれを四つずつ教えられます。

🔷経典を通して学ぶ
🟪Anguttaranikāya (増支部)
🟪Atthakādinipata (六集)・
🟪Gotamīvaggo の四番目
に収録された
🟪Dighajāņusuttam【ディーガジャーヌ経】

🌟増支部とは?➡️ 仏教概念の数「法数(ほっすう)」に着目して、その数ごとにまとめた短編経典集。
🟩その数である支(aṅga)が集(nipata)を重ねるごとに1つ1つ増えていくので、
🟨パーリ語で
🟩「aṅga(支)-uttara(増)」で
🟩「Aṅguttara」
🟩漢訳では「増支」と訳される。

🌟【原文】🌟
🟫今生の幸福の四因🟫
🔶かって、ディーガジャーヌという男が、ブッダを訪れて尋ねた。
🟨「師よ、私たちは、妻子をもって家族生活を営む、普通の俗人です。私たちが、この世で、そして、あの世で幸せになれる教えを授けていただきますか」

🔷ブッダは、この世で人を幸せにする四つの項目があるのだと答えた。
✡️【この世で幸福に暮らせる項目四つ】

1️⃣Utthānasampadā【ウッターナサンパダー】
🌟仕事のプロになる🌟
2️⃣Arakkhasampadā【アラッカサンパダー】
🌟財産を守る🌟
3️⃣Kalyānamittatā【カルヤーナミッタター】
🌟善友を持つ🌟
4️⃣Samajīvitā【サマジーヴィター】
🌟収支のバランスを取る🌟

✡️【解説】
🔶これは在家の生活についての教えです。
🔷「安定」とは、現状を固定することではなく、絶えず頑張り続けなくてはいけない。
🟨「はい、安定しました、これで安心だ、ハイ終わり」ということはないのです。

🔶ディーガジャーヌ (Dighajāņu)という人が、お釈迦様にこのように尋ねました。
🟨「我々は在家です。だから金銀を持っています。贅沢もしています。家族もいます。友達もいます。ゴージャスなパーティーもやります。そういう我々が、在家生活を捨てることなく、この世で幸福になる、死後も幸せになれる教えがありますか?」と質問しました。

🔷お釈迦様は、いつでも「解脱に達しなさい」と教えていますが、
🟨この方は「そういう難しい道ではなく、在家の我々にも簡単にできる教えがありますか?」と尋ねたのです。

🔶お釈迦様は何のことなく、次のように教えました。

1️⃣Utthānasampadā【ウッターナサンパダー】
🌟仕事のプロになる🌟

🔷Utthānasampada というのは、仕事の世界と、自分の世界をよく理解し勉強して、自分の能力を毎日上げることです。
🔶どうすれば、もっと上手くいきますかと毎日、精進することです。

🔷我々は収入を得るために、何かしら仕事をしていますが、その仕事のプロになりなさい、ということです。
🔶Utthānasampada という項目は、修行する人々にとっては、覚りに達するための精進ですが、お釈迦様は、あえて俗世間的にそれを解説してあげました。

🔷仕事で抜群に腕が上がってプロになれば、人生に負ける訳がなく、自分の右に出る人がいなければ、在家生活は俗世間的には「安定している」とみなされます。
🔶しかし、その安定は毎日の努力の結果であり、努力をさぼった途端に、安定も壊れてしまうのです。

2️⃣Arakkhasampadā【アラッカサンパダー】
🌟財産を守ること🌟

🔷苦労して、汗を流して、正しく知恵を絞って得た財産を国に没収される可能性もあります。
🔶ちょっとしたデータのミスで「あなたの税務申告は間違っているから、追加で一億円払ってください」と税務署が言ってくる。
🔷追徴課税ですね。それを払ったら、会社が倒産してしまう。だから、自分の財産を取られないように気を付けてください。
🔶税金を払わないで誤魔化すことは盗みになりますが、税金でも節約することを考えなくてはいけないです。

🔷ただ払えばいいのではなく、払うべきものを正しく払うのです。
🔶それから、財産を泥棒などに盗まれないように気を付け、また、水や火など災害で失わないように守ってください。

🔷そのように、財産を守れば生活が安定する。
🔶安定というのは現状のまま、ストップすることではなく、ダイナミックな運動なのです。
🔷財産を守ることは毎日の仕事になります。それをやってください。これが二番目です。

3️⃣Kalyānamittatā【カルヤーナミッタター】
🔶三番目は、善友を持つことです。
🔷お釈迦様は、友達の条件を教えて下さいます。

🟨Saddhā (信)・sila (戒)・cāga (施)·paññā (智慧) という、四つの条件を満たす人が、善友と呼べる人です。

🌎️🟨誠実で信頼できる人【信】
🌎️🟨道徳を守る人【戒】
🌎️🟨困った時にいつも助けてくれる人【布施】
🌎️🟨【智慧】をそなえた人
🔶この四項目を満たした人と友達になれれば、生活は安定します。

4️⃣Samajīvitā【サマジーヴィター】
🔷Samajīvitā とは、収入と支出をしっかり、バランスさせることで、収入のことを考えないで、支出だけで「あれを買おう、これを買おう、これを使おう」という人のことを、お釈迦様は強い言葉で注意されます。
🟨「それは、とんでもなく恥ずかしいことだ!ブタみたいな生き方だ!借金だらけになって、人生が終わってしまうのだ!」と。
🔶逆に「お金がなくなったら、困るから、一切使わない」というのも、とんでもなく汚い生き方です。
🔷「得た収入はしっかり使いなさい、使って幸せに生活しなさい」と教えています。
🔶しかし、それにも条件があります。決して支出が収入を上回ってはならないのです。

🔷四番目の大事なポイントは、収入と支出のバランスです。
🟨お釈迦様は「支出額は収入額よりも、少し低めに設定して生活することです」と在家のディーガジャーヌさんに教えたのです。

🔶遠い昔、紀元前五世紀の人に向けて説かれた教えなのに、極めて現代的な内容です。

🌟🟩🟧次に、お釈迦様は「財産の無駄遣い」について教えます。

🔷たとえ収支のバランスシートをしっかりつくったとしても、このポイントには気を付けなさいと、
🟨四つの項目を教えるのです。

✡️【財産を無駄にする項目】✡️

🔶我々がお金を使うのは何かを得るためで、使ったお金で何かを得なくてはいけない。
🔷それだったら、お金が無駄にならないよう、使う時には、次の四つのことをやめなさい!とおっしゃいました。

1️⃣女遊び

🔶一番目は itthidhutto【イッティドュットー】 で、女遊びです。
🔷ディーガジャーヌさんは、男性ですからね。インドでは結構、一般常識としてあった習慣です。

🔶女性がそのような商売をすることは女性の職業のことなので、お釈迦様はあまり非難しておられませんが、
🔷男たちには「行くなよ」と戒めました。
🟨Dhutto【ドュットー】とは、やり過ぎ、という意味です。
🔶一回だけということではなく、もうやめられない状態に「dhutto」という言葉を使われます。病みつき状態です。

2️⃣飲酒

🔶二番目は surādhutto【スラードュットー】です。酒がやめられない状態です。
🔷この場合は、たまに祭りで飲んだということではなく、酒をやめられない状態です。
🔶結果は自分の身体の健康も、能 力も壊れるだけで、酒を飲むことは脳を破壊しますから、金を払って、バカになるだけです。
🔷飲酒で得るものは、何もないのです。

3️⃣賭け事

🔶三番目は akkhadhutto【アッカドュットー】で、賭け事です。
🔷賭けをすると、すぐに精神的な病気に陥るのです。
🔶たまに一回だけやってみた、という位ならば問題ありませんが、どうしても、やりたくてたまらなくて金が入った途端に、パチンコ屋に走るという調子なら、もう病気です。

🔷パチンコばかりをやった結果、破産したり、家を売るはめになってしまったり、という人もいます。
🔶賭け事をしても、得るものは何もないのです。

4️⃣悪友

🔷四番目は pāpamitto【パーパミットー】 pāpasahāyo【パーパサハーヨー】 pāpasampavanko【パーパサンワンコー】 で、悪友です。
🔶悪友とは、悪いことを勧める仲間です。だから悪友と一時間、いたら、相当損をします。得るものは何もありません。

🔷Pāpasampavanko【パーパサンワンコー】というのは「悪に赴く性格」のことです。
🔶自分にそういう性格があったら、気を付けて、善友と付き合って下さい。

🟨この四つの項目は、完全な財産の無駄遣いです。
🟨この四つに嵌(はま)って、人は全てを失います。

🔷仏典には、女遊びや飲酒、賭け事、悪友と付き合うことで、
🔶億万長者が乞食になったエピソードやストーリーが、色々あるのです。
     【終了】