精子提供、卵子提供に関する法律に対する日本産婦人科学会の提案内容
これまで、日本では、
精子提供や卵子提供などに関して、
法律の規律はありませんでしたが、
現在、
これらに関するルールを定める法案が、
国で検討されています![]()
前回の記事では、
この法案について、
具体的にどのような内容が検討されているのか、
具体的に解説をしました![]()
前回の記事はこちら
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今回は、
先日、
日本産婦人科学会より、
上記の骨子案に対する、
日本産婦人科学会としての「提案」
が提出されましたので、
この内容について、
具体的に解説しようと思います![]()
※日本産婦人科学会の提案の内容は下記リンク
(外部サイト:日本産婦人科学会ホームページ)
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特定生殖補助医療法(仮称)とは![]()
(前回のおさらい)
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これまで法律では規律のなかった、
第三者からの精子提供や卵子提供、
胚の提供による不妊治療などについて、
ルールを定めることを目的とした法律です![]()
これまでは、
日本産婦人科学会の会告などで、
一定の見解が出されていましたが、
法律での明確な規制はなされていない状況でした。
この法律が成立することで、
第三者からの精子提供、卵子提供などについて、
一定の条件のもとではありますが、
法律の根拠が与えられることになります![]()
日本産婦人科学会の提案内容は![]()
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議員連盟からの依頼に基づき、
日本産婦人科学会は、
この法案の骨子案に対して、
いくつかの提案を行いました![]()
まず、そのうちの一つは、
提供者の情報を、
子に提供することを、
精子提供者が拒否した際に、
その理由の正当性の判断を、
家庭裁判所に任せる事
ということです![]()
たたき台では、
精子・卵子提供者が情報提供を拒否した場合、
提供者の意思に反して開示可能とする規定はありません![]()
また、
日本産婦人科学会の提案では、
精子・卵子の提供者に関して、
将来の情報開示の有無を確認し(匿名若しくは顕名)、
匿名の場合は、
開示情報の提供の可否に関して、
書面による同意を得ること、
としています![]()
これらの点は、
子の知る権利をどこまで保障するか、
という点に関する問題であり、
情報提供者のプライバシーの保護
とのバランスを取る必要があり、
とても難しい問題です![]()
日本産婦人科学会の提案の中には、
出自を知る権利は、
子どもが持つ権利であること
を改めて確認する内容が入っています![]()
自らの出自を知る権利という保護の必要性と同時に、
精子・卵子提供者が匿名を希望した場合に、
その情報を保護するという必要性もありますので、
結局は、
最終的にどちらの保護が優先するか、
という問題になってきます![]()
この辺りの点は、
引き続き継続して議論が必要でしょう![]()
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