鉛筆 不妊治療クリニックの長い待ち時間は解消が難しい?気づき

  

 

 

不妊治療に限った話ではないですが、

不妊治療クリニックに通院する際に、

ネックになることの1つは、

やはり、

「長い待ち時間」

でしょう鉛筆

 

 

例えば、

仕事の午前休を取って通院する、

という場合で、

午前中に診察や会計が終わらず困った、

というようなことは、

良く聞くことがある話でもあります鉛筆

 

もっとも、

クリニック側も、

様々な観点から、

待ち時間を減らすような工夫

や努力をしているんですよねカギ

 

それでも、

待ち時間の問題が発生するというのは、

飲食店などとは違う、

医療機関であることからの理由があると感じています気づき

 

今回は、その点に関して、

弁護士として、法律的な観点も含めて、

コメントしてみようと思います鉛筆

 

 


 

 

はてなマーククリニックの待ち時間の解消は難しいはてなマーク

 

下差し

 

これまで、

様々な病院、クリニックが、

待ち時間の解消について、

色々な創意工夫で、

解消に取り組んできていると思います鉛筆

 

その結果、

待ち時間を上手く解消されているクリニックもあると思いますが、

やはり、

待ち時間が長いクリニックというのは、

依然として珍しくない状況ではないでしょうか。

 

その原因は、

いくつかあると思いますが、

法的な観点から考えてみると、

1つの原因は、

原則として診察を断ることが難しいこと

にあると思います鉛筆

 

例えば、

飲食店であれば、

材料が品切れになってしまった場合は、

「販売中止」とすることが可能です。

 

また、商品を販売する店舗であれば、

商品の在庫がなくなれば、

「売り切れ」

になることで販売終了となります気づき

 

一方、

医療機関の場合は、

基本的に

「売り切れ」

「販売中止」

のように、

一定の患者以上は診療を受け付けないとすることができない

という事情が影響しているように思います鉛筆

 

その理由は、

医師には、

「応召義務」(注1)

という義務が存在し、

(少なくとも)営業時間内に来院した患者を、

診療拒否することが容易ではない、

という事情があります鉛筆

 

カギ注1:診療に従事する医師は、

「正当な事由」がなければ、

患者からの診療の求めを拒んではならない、
と規定されている義務のこと

 

 

実際には、

応召義務は医師が国に対して負っている義務であって、

患者に対して負っている義務ではありません魂

 

応召義務に違反したからといって、

医師に、直ちに

なんらかの責任が発生するわけではないです気づき

(別途、態様によって行政処分の問題は残ります。)

 

また、そもそも、

応召義務には例外も認められていますOK

 

ただ、

医療機関では、

来院した患者は基本的に受け入れる、

という姿勢で臨まれている所も、

少なくなくないと思います鉛筆

 

そうすると、

患者側の来院数を制限しづらいため、

人気のクリニックになればなるほど、

患者の来院数がどんどん増え、

その結果、

自分の番が回ってくるまでの待ち時間が増える

ということになっているのでしょう鉛筆

 

 


 

 

法的な観点から考えてみて、

待ち時間が長いことのもう1つの原因は、

不妊治療でも開始した、

保険診療

が原因であると考えられます鉛筆

 

1つは、

保険診療が開始され、

患者の絶対数が増えたことグッ

 

2つ目に、

保険診療の患者に対して、

レセプト業務(レセプトの作成など)

が必要となったことから、

診療終了後の会計までの待ち時間が

その分長くなったガーン

ということが考えられます鉛筆

 

 

3つ目は、

保険診療により価格調整が難しいこと

も影響していると考えられます雷

 

 

一般のビジネス(例えば飲食店など)を考えてみると、

待ち時間を短くする(回転を良くする)ためには、

顧客1人当たりの所要時間を減らすということのほか、

単純に、

顧客数を減らす・制限する

という発想になると思います風船

 

そのためには、

顧客の人数を減らす代わりに1人当たりの単価を上げる

という発想になると思います虫めがね

 

しかし、

医療分野では、

これは容易ではありませんダイヤオレンジ

 

1人当たりの単価を上げるのは、

自費診療であればまだ比較的可能かと思いますが、

それでも、限度がありますし、

保険診療の場合は、

単価(保険点数)が決まっているため、

このような対策を取ることができませんピリピリ

 

そこで、決められた単価で、

クリニックの売り上げを維持したり、

あるいは増やすためには、

来院する患者数を増やす

という方向しかなく、

患者数が増えるということは、

その分、

待ち時間は長くなる

ということにつながるというわけです鉛筆

 

 

 


 

 

はてなマーク将来的に待ち時間解消の可能性ははてなマーク

 

下差し

 

それでは、結局、

 

待ち時間が長くなるのは仕方がないのか?

 

解消する方法はないのか?

 

ということになると思いますが、

 

昨今では、

IT化によって、

「医療DX」

ということの検討が、

日本の国家レベルでも、

進められているようです鉛筆

(厚生労働省の「医療D X令和ビジョン2030」)

 

カギDXとは気づき

 

「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称。

デジタル技術によって、

ビジネスや社会、

生活の形・スタイルを変える(Transformする)こと

 

カギ医療DXとは気づき

 

医療等の各段階(受診、診察等)で発生する情報やデータを、

全体最適化された基盤を通して、

医療関係の業務のシステム化 、

データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、

国民がより良質な医療やケアを受けられるように、

社会や生活の形を変えること

 

 

下差し

 

 

この医療DXによって、

例えば、

 

グッ病院に行く前から問診を行って

必要な情報をあらかじめ入力する

 

グッオンライン予約システムを使って、

待ち時間の少ない時間を予約する

 

グッ病院の診察後の会計を、

オンライン決済とし、

会計待ちを発生させない

 

といったことが考えられますカギ

 

このような取り組みから、

結果的に、

待ち時間の削減にもつながるということが、

期待されるのではないかと思います鉛筆

 

現に、

こういったデジタルの観点から、

待ち時間を削減するという方向で、

取り組まれているクリニックもあるようですスター

 

この取り組みが広がることで、

待ち時間の解消にも、

一定の効果が出ることが期待されますねカギ

 

 

 


 

 

鉛筆 まとめ 鉛筆

 

カギ不妊治療クリニックの長い待ち時間は、
クリニックの固有の特性からなかなか解消が難しいが、
今後は医療のデジタル化が進むことによって解消が期待できるカギ
 
 
なお、以上の内容は、あくまでも一般的な話となります。
 
実際の個別ケースについて、お困りのことがあれば、
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