今回は前回に引き続き、
離婚分野の「不倫」について、
解説していきます。
不倫を職場に通報・さらすと
犯罪になる?
訴えられて不利になる?
【前回の記事】
※なお、別途注意すべき点として、
プライバシー侵害の点があります。
別で解説します。
「配偶者が不倫をしている」
という内容を、
配偶者の職場に通報・暴露すると
“その人の社会的な評価を下げる内容が、
不特定多数の第三者にまで、
広まってしまう可能性が高い”
と考えられます。
↓
↓
これは、
名誉毀損に、
該当する可能性が高い
と解説しました。![]()
【前回のおさらい】
名誉毀損とは ![]()
✔️ 人の社会的評価を、
下げるような内容を、
不特定多数の第三者に
伝わる可能性がある行為をすること
✔️ 民事上の責任(「慰謝料」の支払い)と、
刑事上の責任(犯罪行為)
それぞれに該当します。
✔️ 刑事上の責任の内容は以下。
” 3年以下の懲役もしくは禁錮
または
50万円以下の罰金 “
法定刑で定められています。
(刑法第230条)
今回の内容 ![]()
実際に、
" 不特定多数の第三者
に伝わる可能性のある行為 "
というのは、
【どこまで(誰)が第三者で、
誰にどう伝わる事が該当するのか
】
について、
解説していきたいと思います。
今回の解説のキーワード
「不特定多数の第三者」
に伝わる可能性のある行為
(これを「公然性」の要件と言います。)
よく聞かれる事としては、
電話口の1人や、
夫の職場の上司や社長など、
「1人のみに伝えること」ならば、
不特定多数に伝えた事に
当てはまらないのでは?
という事です。
確かに、
職場の1人だけ(特定の第三者)に、
本当に留まるのであれば、
不特定多数ではない、
と言えるかもしれません。
実際に、
前回の記事で例に出した、
「B男(夫)とC(不倫相手女性)が、
同じ会社だから、
その会社の上司に相談する。」
というケースは、
名誉毀損に
該当する可能性は低め
と考えられます。
理由:あくまで暴露でなく相談だから
理由を詳しく![]()
☑︎ 夫の会社の上司という、
特定の1人のみに相談という形を取ること。
☑︎ その相談の目的が、
不特定多数人への暴露ではないこと。
☑︎ 上司には、
周りには伝えないように、
口止めをしていること。
上記のことから、
上司以外の第三者に伝わる可能性が高くない、
と考えられるためです。
一方で、
「不特定多数の第三者に伝わる可能性」
があるのであれば、
たとえ、1人にしか伝えてなくても、
不特定多数の第三者に、
伝わる可能性のある行為をした、
ということで名誉毀損が
成立してしまいます。
これを「伝播可能性」と言います。
周りに伝わるようにと、
企んでいなくても、
別の人に伝わる可能性のある行為は、
名誉毀損に該当しかねません。
例えば・・・ ![]()
特定の人にのみ送信したメールは、
送信自体は1人だけであっても、
他者にも見れる状態や、
他者に伝わる状態を想定していたり、
もしくは、
伝わると想定していなくても、
伝わる可能性がある文面に
なっていたことなどから、
「伝播可能性」を認めた裁判例がありました。
したがって、
たとえ、
特定の人にしか送らないメールなどであっても、
名誉毀損が成立する可能性はある、
ということに注意する必要があるということです。
一応、名誉毀損には、
上記のような名誉毀損の条件に該当する行為でも、
さらに一定の条件を満たせば名誉毀損に該当しない場合がある、
という例外規定があります。
この点については、次の記事で解説予定です。
【筆者弁護士、事務所情報】
〒150-0044 東京都渋谷区円山町6-7 渋谷アムフラット1階
甲リーガル法律事務所(きのえりーがるほうりつじむしょ)
代表弁護士 甲野裕大
TEL:03-6416-1595(代表)
LINE経由でのお問い合わせはこちら
![]()
【ご注意】
当ブログに記載されている内容はあくまでも筆者個人の見解であり、全てのケースに必ず当てはまるものではありません。
ケースごとに色々な事情があり、最終的に判断するのは裁判所であることはご留意ください。
したがって、実際のケースでお困りの際には、当ブログの内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、弁護士に相談されることをお勧めします。
また、当ブログの内容、テキスト、画像等にかかる著作権等の権利は、すべて筆者及び当事務所に帰属します。
当ブログのテキスト、画像等の無断転載・無断使用を行うことを固く禁じます。

