相続税のソフト使ってて、いつも困るんですけどね。
相続税には、「配偶者の税額軽減」というものが
あるんですが、それがうまくいかないことがあるんですよ。
「配偶者の取得額が、法定相続分か、1億6000万円まで
の、いずれか大きいほうまでは相続税がかからない」
これは税理士ならもちろん、FPでも知っていることです。
しかし、現実はそうではないんです。
相続税の申告書の第2表で、相続税の総額を出します。
この総額を、各相続人に按分するのが第1表です。
まずは 「普通に税額を」 算出するわけですね。
その後、第5表で「軽減される税額」を算出します。
相続税は、「相続税の総額を、財産取得割合に応じて
按分する」という方法を採ります。
たとえば、財産の7割をもらった人は、税額についても
7割を負担するということです。
前述の「法定相続分か、1億6000万円まで」というのは
配偶者の取得額がこの範囲内であれば
「税額」と「軽減額」が同じ算式になる、ということです。
同じ算式なのだから、答えも同じ。
税額と控除額が同じなのだから、税金がかからないと
いうことです。
しかし現実はそうではない。
まず税額は、 相続税の総額 × 按分割合
で決まります。
この按分割合がクセ者。小数点以下第3位を四捨五入
して計算されるソフトが多いんです。
配偶者が、財産の 10.6%を取得した場合、按分割合は
0.11 になるということです。
財産の 10.6%しか取得していないのに、税金は 11%負担
になるわけですね。
そして軽減額は、
相続税の総額 × 配偶者の取得額 / 財産総額
で計算されてしまいます。上記の例で言えば 10.6%。
したがって、税額>軽減額 となり、若干ですが税負担が
発生してしまいます。
ヘンな話ですよね。
10.6%とか 10.9%なら税金がかかる。11.1%とか 11.4%
なら税金がかからないんです。
この取扱い、税法で定めはありません。
もしご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたい
のですが、私が数年前、大手町の国税局に聞きに行ったら
「そんなもん知りませんよ。所轄に聞いて。」
って回答でした(笑)。
配偶者の取得割合は、
「小数点以下第3位を1~4にする」
必要がある。
ソフトによっては、税額をきっちりと求めることができるもの
もあるようですが…
昨年の夏、私はこのためだけに遺産分割協議書を作り直し
ました。実印が押してあるのは最後のページだけなので、
その前のページを勝手に書き換え。
あ~、くだらない。