兵庫県明石市の歩道橋事故で、明石署の榊和晄(かずあき)・元副署長(63)が20日、強制起訴されることになった。

 起訴議決から2か月半。「真実」を知りたいと悲しみをこらえ続けていた遺族らは19日、記者会見などで「法廷ではすべてを話してほしい」と願いを込めて訴えた。

 一方、前例のない「市民による起訴」に道筋をつけた指定弁護士は「起訴は一つの区切り。まだ、これからだ」と表情を引き締めた。

 ◆やっとスタート地点に◆

 事故で、次男の智仁ちゃん(当時2歳)を亡くした下村誠治さん(51)は、19日午後8時過ぎから神戸市中央区の神戸司法記者クラブで記者会見し、「やっとスタート地点に立った。亡くなった11人がここまでの力を与えてくれた」と感慨深そうに話した。

 下村さんは、起訴の期日決定について「起訴だけが目的ではない。真実の解明と再発防止が目的」と話した。さらに、「事故から8年半、心にぽっかり開いた穴を埋めようとしてきた。3年、4年かかっても真実を知りたい」と訴えた。

 20日の起訴後は、指定弁護士に会って、被害者参加制度で公判に参加できるよう手続きを要請する考えを表明。同制度を使って自ら法廷で榊元副署長に質問することを念頭に、「(証人として)法廷で語った証言と矛盾する点があれば突っ込んでいきたい。11人に対し、これまでどんな思いで過ごし、どんな責任を感じてきたのか直接言葉を聞いてみたい」と述べた。

 ◆立証活動に自信◆

 指定弁護士3人は午後6時から、神戸司法記者クラブで記者会見。主任の安原浩弁護士は「榊元副署長の取り調べと起訴で、第1、2段階が終わったが、今後、法廷での立証内容を構築していかねばならない」と述べた。

 20日を起訴日としたことについては「証拠をすべて読み込むには、半年から1年はかかるが、改正法は速やかな起訴を求めている。必要な証拠を確認し終えたので起訴することにした」と説明した。

 神戸地検内に設けられた執務室では入念に議論を重ねたといい、「3人とも弁護士なので、弁護側から予想される反論については、比較的よく(検討)できたと思う」と立証活動に自信を見せた。

 榊元副署長の取り調べは、神戸地検で15日午後1時から約3時間、弁護人の立ち会いの下で行った。録音・録画は拒否され、全面可視化はかなわなかったが、安原弁護士は「こちらがとらえる過失の構造を伝え、弁解を聞いた。見解を押しつけることはしなかった。弁護人が同席すれば、(録音・録画と)同じ効果が期待できる。検察官ではおそらくできなかっただろう」と胸を張った。

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 介護現場でのありのままの人間関係に焦点を当てたドキュメンタリー映画「ただいま それぞれの居場所」が、4月17日から東京を皮切りに順次公開される。介護保険制度がスタートして丸10年。施設の数は大きく増えたが、一方で介護を必要としながらも、制度の枠組みから漏れてしまう人も少なくない。映画では、そんな現状の介護サービスの在り方に疑問を感じ、自らが理想とする新しい介護を模索する若い担い手が立ち上げた4つの施設が登場する。介護保険を利用していない施設もある。埼玉県坂戸市の民間福祉施設「元気な亀さん」の瀧本信吉園長は映画の中で、「決められた介護、やらされる介護ではなく、一人ひとりにふさわしい介護を見つけていきたい」と語っている。半年以上にわたり、利用者とスタッフが生活する現場に密着した大宮浩一監督に話を伺った。(外川慎一朗)

【複数の写真が入った記事】


―この映画を撮ろうと思った動機を教えてください。
 とにかく、介護の現場での人と人の関係性を撮りたかったのです。介護保険制度の導入で、以前と現場がどう変わったのかという点にも興味はありましたが、制度への関心より、介護をめぐる人間関係への興味の方が大きかったですね。

―なぜ、介護現場の人間関係に興味を持たれたのでしょうか。
 素の人間性がぶつかり合う場だからです。介護の現場では、介護をするスタッフも介護を受ける利用者も着飾ったりせず、素の自分をさらけ出しながらコミュニケーションを成立させています。映画でも利用者の喜怒哀楽の一つ一つをそのまま描いています。

―撮影対象になったのは、いずれも小規模な施設ですね。
 いずれの施設も民家を活用し、利用者とスタッフが家族のように接しています。それ以外にも共通項があります。いい意味で“いいかげん”なことです。わたしたちをお客さんとして扱いません。家族の一員のように迎えてくれます。介護現場でのありのままの人間関係を描く上で、とてもよい環境だったと言えるでしょう。

―利用者の方がスタッフに怒りをぶつけたり、たたいたりする場面が描かれています。
 もちろん日常的にそうというわけではありませんが、利用者の機嫌がいい時と悪い時があるのは事実です。でもスタッフは、その人すべてを丸ごと受け入れています。こうした姿勢が印象に残りましたね。受け止めてくれる相手がいるからこそ、利用者も安心して自分を出して普通に生活できるのでしょう。ほかの施設を転々としてきた利用者も生き生きと過ごしています。

―こうした規模の小さい施設が増えればいいのでしょうか。
 映画に登場するような施設が増えればいいとは思いますが、規模の大きな施設を否定するつもりはありません。きれいな大規模施設できちんとしたライフスタイルを送るのが好きな人もいるでしょう。医療行為が必要かどうかも関係してくるでしょう。高齢者がこれまで暮らしてきた地域の中で、自由に選択できる幅が広がることが理想だと思いますね。

―介護を担う人材には何が必要だと思いますか。
 現在の介護業界では質やスキル、資格制度などが重視されている気がします。そういったことも大切ですが、技術や資格の前に必要なのは「人が好きだ」と思えることだと思います。「利用者のありのままの姿」を受け止められる人が介護の担い手として現場に入ってくれるといいのかなと感じます。
 介護現場は俗に、「3K(「きつい」「きたない」「給料が安い」など)」といわれることもあると聞きます。しかし、わたしはそんなに介護の未来を悲観していません。志のある若い人がどんどん出てくることで、現場がもっと働きやすい場になっていくことでしょう。

―今の介護保険制度をどう考えていますか。
 現在の制度では、現場がやりたい介護を自由にアレンジできない状況もあるのではないでしょうか。「元気な亀さん」の瀧本園長は「だから介護に人が集まらない」とも話しています。
 介護には地域性が大きくかかわっていると思います。市町村や現場の裁量を重視し、制度にある程度の弾力性を持たせた方が、スタッフや利用者にとってよりよい介護ができるのではないでしょうか。それと、点数や加算などの制度が複雑過ぎるという問題もありますね。

―最後に、この映画をどういった方々に見てほしいですか。
 介護や医療に従事する人はもちろんですが、これまで介護について考えたことがなかった一般の人にもぜひご覧いただきたいですね。「介護の映画」ということでハードルがあるかもしれませんが、きっとそれぞれの人によって受け取り方が異なると思います。その違いがまた面白いのではないでしょうか。

【略歴】
1958年生まれ。日大芸術学部映画学科在学中より、映像制作に参加。「ゆきゆきて、神軍」「アラカルト・カンパニー」などで助監督を務める。93年、(有)大宮映像製作所を設立。主な企画・プロデュース作品に、「よいお年を」「JUNK FOOD」「DOGS」「青葉のころよいお年を2」「大蔵村、踊る男」など。

「ただいま それぞれの居場所」は4月17日よりポレポレ東中野にてロードショーほか全国順次公開


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