買い物に出かけ、街角で久々に「THE  BIG ISSUE」を購入したら、素敵な表現に出会いました。

最初に、作家「朝吹 真理子」さんへのインタビュー記事から後半の一部を抜粋させていただきました。

作家〈朝吹 真理子〉
1984年、東京生まれ。
09年「流跡」を『新潮社』(10月号)に発表して作家デビュー。
11年「きことわ」で第144回芥川賞を受賞。
著書に『抽斗(ひきだし)のなかの海』(中央公論社)『TIMELESS』(新潮社)など。
来春に『だいちょうことばめぐり』(河出書房新社)を刊行予定。

〈私の分岐点〉より

(前略)

小説はとても不思議で、書ける、という自信はいつもありません。


小説を書いている時、書けないことで悩むことはありません。

書けない、ことが普通だと思っているからです。

書き上がる保証なんてどこにもなくて、偶然書き上がる。

書き上がった時は、いつも、奇跡だなあ、と思っています。


振り返れば、小説の種になるようなメモはずっと書いていました。

誰にも見せないで抽斗にしまっていたけれど、その抽斗は海に続いているんです。

そこは時間が溶け合った場所で、文章を笹舟にしてそっと抽斗に入れると芭蕉に届いたり、作品そのものに届いたり。

一度、笹舟に乗せてしまうと文章はそれを受けとる人に委ねられます。

だから読者がどう受け止めるかで悩むことはありません。


「あの時こうすれば良かったのに」とか考えないし、目標を決めて努力するとか、そういうのも全然だめです。

今いきているだけで手いっぱい。(笑)

でも私にとっての人生はそういう感じに流れてゆくようで、それでいいのかなと思っています。

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「そこは時間が溶け合った場所で、文章を笹舟にしてそっと抽出に入れると芭蕉に届いたり、作品そのものに届いたり。」「ひとつ、いまここ」に届いた表現は時空間を超えて、誰かの表現として現れる、ということを話されているのでしょうか?

「芭蕉」であったり、「朝吹 真理子」さんの作品となったり✴

さすが作家さん、素敵な表現ですね♪

他の表現からも、「いま·ここ」に委ねて生きていらっしゃるのが伝わります。

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次に4コマ漫画「マムアンちゃん」(ウィスット·ポンニミット)より。

ウィスット·ポンニミット
1976年、バンコク生まれ。
タイで漫画家デビュー。
04年、日本留学中に日本でもファンが急増。
著書に『タムくんとイーブン』(新潮社)、『ロマンス』(太田出版)、『ブランコ』(小学館)など。

マムアンちゃん〉159

こんな私は ただ誰かの 真似かもしれない


私がいってることは ただ誰かから

聞いた話かもしれない


私が頭の中で考えてることは

ただ誰かの

考え方かも知れない


でも今私が感じているのは

絶対に私の気持ちだ

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