
2009年にソングライター&ボーカル&ギターの志村正彦が鬼籍に入り
その後、残るメンバーで活動を続けたけれど
今年2月に活動を休止するフジファブリック。
恥ずかしながら昨年、初めてフジファブリックと出会った。
そこでここでは、その馴れ初めから話さねばなるまい。
時は2024年夏。
ワタクシこう見えて夏が大好きであり、冬は大の苦手である。
そのためにいつも、夏の終わりはセンチメンタル。
今年の夏は二度と戻ってこないんだよなぁと。
また毎年夏の終わりとともに歳を重ねるが
今年は特に、「あぁ、今年は40代最後の夏、楽しなければ」と
まあまあ必死だったのはご承知の通り。
そんな40代最後の夏が終わりに近づいた2024年9月、
突如、ラジオでやたらと流れたのが
フジファブリックの「若者のすべて」。
多分聞いたことはあるのだけれど
心に響いたのはこの時が初めてだったと思う。
若者だけではなくおじさんになっても
夏の終わりはやっぱり寂しい。
僕の40代の夏は、
「若者のすべて」で締めくくられたと言っても過言ではあるまい。
そこでほかの曲も聞いてみようと思ってベストを聴く。
全体的に詞がいい。実に味わいがある。
知り合いの作詞家が、
「(シンガー)ソングライターと作詞家は全く違う」と言っていた。
氏いわく、作詞家は商人であり、顧客が求めるものを作っている。
逆に言えば自分が書きたいことを書けるわけではない。
片やソングライターは歌いたいものを書くのであり、
「自分が好きなことを書けるのはとても羨ましい」と言っていた。
そういう言う意味で、
志村正彦は自分が歌いたいとてもいい歌詞を書いたのだと思うし、
それがまた皆の心にも響いたのだろう。
久しぶりにじっくりと歌詞カードを読んだ。
大してよく知らないのにこんなことを言うのは
ファンの方には大変申し訳ないが
曲調も含めたマスターピースとなるのは
やはりダントツで「若者のすべて」だろう。
今年もこれから冬本番。
苦手ではあるがそれでも楽しいことを探しながら
この一瞬は大事にしたい。
とは言っても心はやはり、次の夏が来るのを待っている。
そして存分に楽しむであろう50代最初の夏の終わりにも
また「若者のすべて」を
センチメンタルな気持ちで聴くことだろうと既に確信している。
今年の夏は花火をしようかな。