◾️本日25日、日本盤発売!
2024年7月9日
By Alex Driessen(Prog Wereld)
2023年後半、ザ・フラワー・キングス(TFK)はヨーロッパ・ツアーを行った。
オランダも訪れ、ウーデンのDe Pul(10月27日)とズーテルメールのBoerderij(10月28日)が相次いでスウェーデンのプログレ・フォーメーションを迎えた。
これらのライヴはとても良かったようで、その録音は新しいライヴ・アルバム『Live In Europe 2023』に昇格することができたようだ。
どのギグからの録音なのかはまったく不明である。
プレスインフォメーションの中で、ロイネ・ストルトは、会場のミキシング機材から偶然録音された音源がとても良かったので、新しいライヴアルバムが実現する可能性があることを示す、少々不可解な発言をしている。
これは、私がこれまで聴いたスウェーデンのクインテットのライヴ録音の中で、間違いなく最高の音質である。
それは、感情、メロディー、雰囲気である。
たとえミュージシャンたちがロックすることがあったとしてもTFKは決して音楽的なパワーに頼るバンドではない。しかし、ストルトが最終的に銀盤に収録される音源のために行った選択は、例外なく3つの基準すべてに当てはまるものだった。
これほど落ち着いたメロディアスな音楽をライヴで連続して聴くことはめったにない。これは、約13分のメドレーに短縮された「Garden Of Dreams」のヴァージョンから始まる。
鳥肌が立つような美しいメロディーが並んでいる。
雰囲気という点では、「Big Puzzle」はオープニングの延長線上にあり、ここでも余韻の残るエモーショナルな音楽が多い。
ここでは特にストルトのメロディアスなギター・ワークが本領を発揮しているが、キーボード奏者のラレ・ラーソンも実力を発揮している。
軽快なリズムで直接的にではなく、主に白鍵や黒鍵を静かに、そしてとてもセンスよく触っている。特にピアノを頻繁に使うことで、親密で雰囲気のあるフィーリングを生み出している。
「Stardust We Are」の中盤での彼のソロは、その最も顕著な証拠であり、聴衆から喝采を浴びた。
最新スタジオ・アルバム『Look At You Now』からの「The Dream」と「Day For Peace」は、雰囲気という点で旧作とシームレスにフィットしており、「The Dream」はそれを強調するために演奏時間を2倍くらいに伸ばしたほどだ。
しかし、私の知る限り、最後の2曲が栄冠を手にした。
『Paradox Hotel』収録の「What if God is Alone」と、30分弱の「Stardust We Are」は、ケーキの上のアイシングだ。
ここでTFKは、特にライヴにおいて、彼らがこのジャンルの頂点に立つにふさわしい存在であることを示している。
ヴォーカルのハッセ・フレベリの神々しい喉を含め、バンドの楽器から次から次へと素晴らしいメロディが生まれる。
どちらの曲でも、彼はあらゆる手段を尽くしている。
「Stardust We Are」の象徴的なクライマックスは主に彼によるものだ。
ミルコ・デ・マイオの歯切れの良いクラップ、弟マイケル・ストルトの落ち着いたベース・サウンド、ラレ・ラーソンのほとんどクラシカルなキーボード・ワーク、ロイネ・ストルトの比類なきギター・ワークなど、このアルバムではすべてが同じように歯切れが良く、輝いている。
なぜ全公演を2枚組のアルバムにしないのか」という疑問さえ、私には思い浮かばない。
個人的に好きな『Paradox Hotel』が少し恋しいかもしれないが、まあいい。それはおそらく、このアルバムが醸し出す特別な親密な雰囲気を損なってしまうだろう。
そして、75分を超えるフラワーキングスの音楽もかなり素晴らしい。オランダでのギグ中に偶然デジタル・レコーダーで録音したおかげだ。
出典:
https://www.progwereld.org/recensie/the-flower-kings-live-in-europe-2023/
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