◾️Camel Revisited(キャメル再訪)



Artist:Camel

Title:Never Let Go

Year:1993


ボックスセット『Air Born』以降、以前よりかなりキャメルファンになりました(笑)

90年代のキャメルの作品を聴いて、ライヴはどうだったのだろうと思い、今さらながら30年前のライヴアルバム『Never Let Go』(1993)を聴きました。

アルバム『Dust And Dreams』(1991年9月)が出た後のツアーで1992年9月のオランダでのライヴです。


この時のメンバーは、以下の4人です。

Andrew Latimer – guitars, flutes, keyboards, vocals

Mickey Simmonds – keyboards

Colin Bass – bass, keyboards, vocals

Paul Burgess – drums


キーボードだけはアルバム『Dust And Dreams』の録音メンバーのTon ScherpenzeelからMickey Simmonds(次作『Harbour Of Tears』の制作にも参加)に代わっています。この人ピアノも上手です。

メンバーが変わっても(イエスと違って)演奏には全く違和感がありません。


ライヴの冒頭は、デビュー・アルバム『Camel』収録の「Never Let Go」から静かに始まります。

Never Let Goとは、放置しない、つまり「決して諦めない」という意味です。今思えば、この92年頃から病に悩まされ始めたアンディさんにぴったりのアルバムタイトルだと思います。


前半のセットは以下のアルバムから満遍なく選ばれています。 

『Mirage』、『Snow Goose』、『Rain Dances』、『Breathless』、『I can See Your House From Here』、『Nude』

巧みな選曲ですし、『スノー・グース』からのメドレー(「Rhayader〜Spirit Of The Water」)は(この後も含めて)欠かせない大事な曲なのだな、と思いました。


後半(DISC2)はアルバム『Dust And Dreams』の怒涛の全曲演奏。

新作のツアーでもアルバムから数曲しか演奏しないバンドが多いなか、これは素晴らしいと思いました。


最後は「Sasquatch」(『Single Factor』)と、お約束の「Lady Fantasy」(『Mirage』)でフィニッシュ。



最初はサブスクで聴きましたが、CDを見つけてゲットしました。


このアルバムを聴いて思ったこと。
○アンディさんはどの作品にも愛情と思い入れ、そして自負があるんだな。


○80年代以降産業ロックに転身するバンド(イエス、エイジア、ジェネシスなど)が多かった中でアンディさんは80年代以降も曲作りの姿勢が全然変わらなかった。


○勢いと若いパワーで勝負するバンドと違って、キャメルは衰え知らず、というか、どんどん円熟して味わいを増しているし、演奏も上手になっている。

まあ自分の嗜好が若い頃とは変わったせいもあるかもしれませんが。

(以上個人的な感想です)


2013年に病気から復帰したアンディさん。

また病に倒れて現在快復はされているようですが、年齢も考えると、ライヴで再会することはもう難しいかもしれません。

お元気になったら、もう10年以上出していないスタジオ作品をせめて発表して欲しいなと願います。




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