第三価値、そして第四価値が求められる新しい時代。 | 住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

住野康博〜アメリカとカナダで挑戦し続ける者〜

すみちゃんとも呼ばれています。セカイとニッポンの間で挑戦中。長いアメリカ生活を終え、カナダへ。カナダで経営者しています。

どうも、こんにちは。2日前ほどに日本から帰ってきて、時差ぼけと格闘中ですが、今回の日本訪問は大変充実したものになりました。


今回は進化についてお話しさせていただきます。人間は不思議なもので常に進化し続けいてます。進化を人間の目で見つけるのは大変難しいです。それはなぜかというと、人々の進化と変化が一番に起こる場所にあります。そうです、それは頭の中なのです。人々の意識変化や改革は無意識に始まり、人により個人差はあるものの、認識にいたるまでに時間がかかります。そのため、一斉に同じタイミングで進化し、変化するという事はまずないのです。それは市場も同じで徐々にその人々の変化に伴ったビジネスや傾向が濃くなっていく傾向にあります。


これは飲食業でも同じで、時代は”おいしい やすい 早い”時代から高品質を求める時代になってきています。これらの三原則は飲食業界のある意味絶対法則のようなものでした。しかし、これからはこの3原則が通用しなくなり、これらをベースに事業を展開していると徐々に事業が行き詰まり、どんな事をしても売り上げが上がらないという状況になり、苦しい生活を送らなければいけない状態に陥る可能性があります。


日本国内、海外でいくつもの麺事業(うどん、ラーメン、そば)またはカフェ形態やレストランを見てこられ、おつきあいがある大和製作所の藤井社長も、これらの3原則を実行している店はうまくいかないと言われていました。これからは80点の商品を出しているお店は通用せず。95点以上の商品を提供しなければ生き残れない時代。私は人々が長い年月を得て、基準にしているものが大きく変わっている理由を探しました。そして、私は最近、この変化にある一定の共通点がある事に気がつきました。そして、これらの共通点をスマートビジネスという形でカテゴリー化して呼称する時もあります。それは第3の価値創造と低所得者へのマーケットオープンでです。

人々は今までは第2価値までしか求めていませんでした。おいしいー良いサービスのパターン、それか安い、おいしいなどです。しかし、インターネットが発達して、情報が瞬時に入り、そのお店の自体のおいしさというものが数値化され始め、アメリカや北米では、YelpやUrbanspoonなど、日本では食べログなど、人々がおいしさとサービスの基準を数値化していったのです。そのため、おいしさというものが数値化されていく中で、人々の頭の中でおいしさというものが固定化されていき、それがいつでもどこでもなければいけない価値観になっていったのです。そして、スマートフォンが当たり前になり、全ての情報にほんの数秒でアクセスできる世の中になりました。このため、このおいしい、良いサービスという点が今までのような付加価値にならず、当たり前になっていったのです。これがわかる良い質問例がございます。もし、自分にこの質問を問いて、そうと思う人、あなたはもうこの変化の中にいるのです。
実際にお店に行く前にネットで検索して、もしレストランのおいしさや素晴らしさを評価する☆が5満点中、☆2か☆1だったら、あなたはそのレストランに行きますか?ほとんどの人が行かないと思います。☆3つでも悩むと思います。10年前までは、これらのサービスはまだ人々の頭の中にそこまで浸透していませんでした。しかし、テクノロジーという飲食業に全く関わりのない分野が、今、その根底的は概念を変えようとしていて、知らぬ間に私たちの頭の中で、もうすでに変化が起きているのです。

そして、次の変化の理由は日本国内に限りますが、コンビ二などの商品向上による加工食品の押し上げにあります。最近の日本のコンビニでは産地直送の昆布や鮭を使った高品質を歌ったお弁当や、パンの種類も多く、産地の野菜やコーヒーショップも展開しています。これらを利用している消費者の考え方が、昔の安いコンビニ商品から産地にこだわった商品へと大きく変わっているのも事実です。日本のコンビ二事業は世界最強と言われています。各地の大手スーパーやイオンモールが苦戦しているのもわかります。今後、北米などのセブンイレブンがこのような商品を送り込んでくる可能性は多々あるので、また海外での消費者の価値観にも変化があると思います。

それでは第3の価値観とはなんでしょうか?それは人々にプラスアルファになると言う事です。例を出して説明しますと、飲食業なら”健康”になれるという+アルファ価値観、自動車産業であるなら、ハイブリッドや電気自動車など、お金をセーブするだけではなく、環境にも優しいという+αの考え方です。これがスマートビジネスと言われ、これからの時代で成功するために不可欠な要素だと思います。

今回は飲食業の第三価値というものについて、お話しいたします。今まで、健康食というとオーガニックやマクロバイオティクなど、一部の人にしか意識改革が行われていませんでした。そのため、健康ビジネスはニッチ業態として考えてきた人が多かったですが、物事が変化する時というのはそういうものなのです。むしろ、一部の人に起こっているからこそ、その先を予想できる力がないと成功者にはなれないでしょう。私が今、読んでいるイーロン マスクの野望でも、イーロンがPaypalを創業した資金を使って電気自動車メーカーのTeslaを創設した際に、彼が一番最初に作ったロードスターが1千万を超える値段でした。そのためセレブや一部の富裕層のみが楽しめる商品となっていました。しかし、その後、500万円ー600万円代の車が発表されています。イーロンはこれらを400万円を切る価格まで下げて行くと行っています。このように変化というものは一部から始まり徐々に広がって行くものなのです。そこで、成功できる人というのは、これらを見極め準備して行く力と精神力がある人。私はそれが成功者であるための大事な要素だと思っています。私が今、読んでいる藤井薫社長の”トップになりたきゃ、競争するな”でも、同じマーケットのパイを取り合ってもトップには絶対なれないと記載されています。


それでは飲食業ではどうでしょう?これらの変化は起こっているのでしょうか?もちろん、変化は起こっています。そして、私はこの健康意識変化が最終章に来ていると思っています。具体的な例を挙げて説明して来て行きます。健康意識に一番遠い業種、それは皆さんもご存知の通り、ファーストフード業界です。しかし、ここ数年このファーストフードでも革新的な変化が起きています。ファーストフードの代名詞と呼ばれるマクドナルド、そのマクドナルドは昔から、その全体の売り上げの25%を5つの商品でたたき出しています。その5つの商品はビックマック、クォーターパンド、マックナゲット、フライドポテトにエッグマフィンです。しかし、この商品戦略に大きな変化が現れ始めました。野菜をふんだんに使ったWrap商品や新鮮なフルーツを使ったスムージー、そして新鮮な野菜を使ったサラダやリンゴのスライスなど、多種多様の健康を意識した商品が登場しています。よくこれらの事は健康を装っているカモフラージョとよく言われていますが、私はそうは思いません。そして、私はこれらの商品開発の驚愕の事実を知る事に寄って、私は彼らは本気なのだと確信し、変化の最終章が始まったと実感しました。マクドナルドの商品開発にはどんな商品でも最低9ヶ月はかかります、それは会社のサイズが巨大な事とその複雑なシステムと徹底した商品開発の為にかかる時間です。マクドナルドが今、現在提供している新鮮フルーツスムージー。これらの商品を出そうと決めてから、商品が実際に店舗に並ぶまで4年かかったそうです。私はなぜ4年もかかるものだと疑問視していました。しかし、よく調べてみると、むしろよく4年でできたというのが正直な気持ちになったのを覚えています。マクドナルドがブルーベリーフルーツスムージーを始めるに当たって、大量の新鮮なブルーベリーを仕入れなければいけませんでした。米国マクドナルドに限っても、その量がなんとアメリカ全土のブルーベリー産業の35%を買い込まなければいけなかったのです。ブルーベリー1業者の35%ではありませんよ、業界全体の35%です。という事は、一社ではもちろん調達不可能ですから、複数業者からの調達になるでしょう。これらの調整を考えただけで、1年以上はかかると思います。そして、これがマンゴー、パイナップル、ストロベリー、バナナ、ザクロなど多種多様になればなるほど、また流通システムや原材料管理が難しくなります。他の健康商品アイテムもまた同じように開発されているのです。

よくできているマクドナルドについてのドキュメントです。フルバージョンはNetflexでも、見れるので、アカウントがある方はそちらからどうぞ。Inside of Mcdonals.


そして、ここで大事な事はファーストフードという健康面では底辺の業態が本格的に健康志向に動き出したという事です。それはより多くの人々の意識を変えて行くのに大きな貢献をします。そうです、健康志向というのは低所得層にまで達しようとしているのです。数年後、今とは全く違うお客層が私は出来上がってくると思います。マクドナルドがこのようなアプローチをしてくるという事は、他のファーストフードの競争相手も健康商品に力を入れていかなければいけません。そのため、ファーストフードビジネス、そしてモールビジネスも意識改革が必要になってき、これに乗り遅れると数年後に大きな差を私は生むと思っています。そしてさらに、このような健康意識というものは低所得層から富裕層まで色々な形で浸透して、変化していくものだと思います。新しい時代だからこそ、80点の商品では勝ち残っていけないでのす。95点以上ある事が非常に大事になってきます。

そして、その大きな先駆者と言われるChipotle(チポレ)が時代を先攻した良い例だと思います。チポレは1993年にSteve Ellsによって、コロラド州に設立されたメキシコ料理のブリトーのファーストフード専門店です。当時のスティーブは料理学校から卒業したばかりでフルスケールのレストランを持つ為の資金稼ぎの為に父から借りた800万円を元手にチポレを開業させました。チポレの特徴はその食材の準備の仕方にあります。食材は加工食品を一切に使わず、新鮮な食材を店舗で仕込みました。そうです、ファーストフード業態にも関わらず、ファーストフード店とは全く真逆の方法をとったのです。しかし、これが大ヒットをして5店舗までを急激に展開、そしてその当時、マクドナルドが彼らのビジネススタイルに大きな関心をもち、巨額の投資を行いました。その結果、21年後の本日はお店の数が1539店舗、そして歴代で2番目に大きなIPO(上場企業)をした企業として、大成功しました。そして、さらにこのチポレの素晴らしい所、それは食材の調達方法にあります。ある日、創設者のスティーブは食材の視察で豚業者を訪れました。そこで見た光景があまりにもショックで、後の彼の人生を大きく変える事になります。牧場では豚はギュウギュウずめに飼育され、非常に劣悪で非モラル的な環境だったのです。それに怒りを覚えたスティーブはその業者との契約を破棄して、外でのびのびと豚やチキンを飼育しいてる牧場との契約を行いました。その後、野菜もできるかぎり、ローカルの農家と契約して仕入れをして、通常のレストランとは異なるシステムを構築したのです。このような業態をCASUAL FIRST FOOD 業態といいます。PANERA BREADなども、この健康意識をしている業態で急成長しています。そして、アメリカではこの業態が年に13%という驚異的な伸びを記録しているのです。

チポレについてのドキュメンタリーです。よくできていますので、ご覧下さい。


これらの業態が成功しているのも私は人々の意識が少しずつ変わって行ったのが大きな理由だと思っています。そして、私はこの第三価値に第4価値(エンターテイメントと食育プログラム)を取り入れた業態をやりたいと思っています。細かい事はまた今度お話しいたしますが、今回のお話しでは、マーケットが変わりつつあるという事です。そしてこれからはスマートビジネスが大きく飛躍する世の中になると私は予測しています。そのため、より一層の知識が求められ、やりがいがでてきそうですね!