いま中国で習近平「重病説」がささやかれる中、経済政策の「ホラー化」が始まった…!失政が原因で生まれた「余剰男」3500万人の「悲惨な実態」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

 

いま中国で習近平「重病説」がささやかれる中、経済政策の「ホラー化」が始まった…!失政が原因で生まれた「余剰男」3500万人の「悲惨な実態」

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現代ビジネス

 

中枢で起きている異変

習近平国家主席に異変が…Photo/gettyimages

習近平国家主席の重病説が流れている。 ニュースウィーク日本版の練乙錚(リアン・イーゼン)の寄稿によれば、習氏が、7月30日を最後に20日間、公の場に姿を見せなかったことから、重病説が流れているのだという。8月19日に訪中したベトナムのトー・ラム共産党書記長を出迎えた習氏だが、その報じられ方がいつもと違い、ますます習氏の周辺で「異変が起きている」と練乙錚は訝っている。

 

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それにも増して、中国政府の海外からの信頼は大きく揺らいでいるのは、中国政府が打ち出す経済政策が、ほとんど「ホラー映画」のようだからだ。 中国では、やるべき需要対策を打たずに、供給側の対策を熱心に進めている。 失敗を検証したり、反省したりせずに、思い込みで意味をなさない政策のオンパレードである。

まるで「ホラー映画」のような経済政策

8月24日付フォーブスは「中国経済の失敗のパターンは退屈なほど繰り返されている。ホラー映画の続編のように、飽き飽きとした公式がもう何年も繰り返されている。だが、政府は問題を無視するか、不適切もしくは思い付きの政策を打ち出し、問題を改善することができないでいる」と報じた。 このような論調が最近増えてきたが、ここまで中国政府の無能さを糾弾した論説記事は初めてだろう。

 

 “思い付き政策”の最たるものは、「低空経済振興策」だと思う。 低空経済とは「低空域(高度1000mまでの空域)を活用した旅客輸送や物流」のことだ。政府はこの空域の規制を緩和し、ドローン(無人機)や「空飛ぶクルマ」などの開発を促進する考えだ。

 

中国政府は「低空経済の規模は2030年までに2兆元(約40兆円)になる」と予測しているが、業界団体からは「成長への具体的なロードマップが示されていない」と懐疑的だ。

 

 不動産バブルの崩壊による“需要”の低迷が不況の原因であることがわかっているのに、小手先の“供給”サイドの政策でお茶を濁しているようでは、「中国経済全体の低空飛行は永遠に続くだろう」との皮肉も言いたくなる。

 

 

民衆の反発が高まっている

経済都市・上海の夜景…中国経済の土台は疲弊が進む Photo/gettyimages

政府が信頼を失えば、中国経済の早期回復が絶望的になるのは確実だ。 これまで経済に深く関与してきた地方政府が疲弊しているのも気になるところだ。ブルームバーグの試算によれば、地方政府の7月の土地使用権売却収入は前年比40%減の2500億元(約5兆円)と過去最大の落ち込みとなった。

 

 

 「金欠」となった地方政府はあろうことか、罰金収入の増加で糊口をしのいでいる。 地方政府の2013年の罰金収入は1613億元(約3兆2000億円)だったが、昨年は3800億元(約7兆6000億円)と2倍超になったと言われている(8月27日付日本経済新聞)。

 

 

不動産不況で収入源が大幅に減少した地方政府の苦肉の策だが、市民の不満がたまり、社会不安を招く危険性が指摘されている。

 

 政府からなけなしのカネを巻き上げられる国民の懐事情は悪化するばかりだ。豪雨などの影響で農産物価格が直近1ヵ月で4割以上も高騰している。 各地で水害被害も多発している。この半年の死者・行方不明者の数は昨年の3倍以上の322人に上っており、「毎年のように発生している大洪水は人災、すなわち、政府の失政のせいだ」との批判が国民の間で広まっている。

 

 

 

 そうした中で、最も深刻なのが若者の雇用だ。

なかでも一人っ子政策が生み出した未婚の男性が「余剰男」と呼ばれ、危険視されはじめている。

 

 後編『習近平の大失政が生み出した「余剰男」3500万人の「悲惨すぎる」末路…!いま中国で危惧されている「最悪の事態」』では、その悲惨な若者たちの現状を詳しくレポートしていこう。

藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)

 

 

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