グリップを引き出す③・・・どのぐらい滑ってると最もグリップするか? | 黄色のトパーズ

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そのバイク、何cc?
俺も昔はバイクに乗ってたんだよ。
スズキのグースってヤツでさ・・・

グリップを引き出す①・・・タイヤが滑っても転倒しない謎 で、タイヤは接地面の加速度がゼロ付近であれば速度は必ずしもゼロでなくてもよい。つまり滑っていても良いことが分かりました。では、どのくらい滑っていると最もグリップが引き出せるのか? コメント欄に書いたホンダのサイト・・・

http://www.honda.co.jp/sportscar/enjoy/lesson4-3.html

このグラフ2を見ると、スリップ率20%の時にグリップが最大になるというデータ。調べてみると使うタイヤの銘柄など条件によって異なりそうですが、どうやら相当滑ってる状態で最もグリップするというのは間違い無さそうです。そして感覚でグリップだと思っていても実はスリップ率0%ではなく、少し滑りながらバイクは進んでいる。感覚でグリップだと思っていても、タイヤが全く滑っていないということは無いということのようです。


次に、どのくらい滑っているとバイクが最も前に進むかを考えてみる。

・スリップ率20%の時にグリップ力が最大の100となり、一定時間に進む距離は80。

そんなタイヤがあったとしましょう。常に最大グリップをキープして走れば最も遠くに進むかと言えば条件によって変わってくることに気付きます。例えばスリップ率10%の時のグリップ力が90だとしたら進む距離は81。荷重をかけすぎない方が前に進むことができます。潰しすぎないで転がした方がいいとか、ショルダー潰しよりエッジでコロコロとか感覚で思ってたのはこの辺の事情でしょう。一方スリップ率10%の時のグリップ力が88以下であれば、20%滑らせてグリップを最大に保った方が遠くに進むことができます。どんどん潰して荷重をかけると気持ちがいいのは、そういうこと?

レースでトップタイム付近にグリップ派とスライド派(スリップ率ではなく外から見て感覚的にグリップ/スライド)がいるなんてのはモトGPでも桶スポのモタードでもあることですが、この辺が関係しているのかもしれません。ここまではエンジンパワー無限の場合でしたが、パワーが限られている場合を考えてみても条件でどちらが速いか変わってくることが分かる。

自分が走っていても、恐らく自分では滑っていると感じていて近くや後ろに付いた人なら分かって外からはグリップに見えるぐらいだと思うけど、そのくらいのスリップ率で全くコケる気がしなくてグリップ抜群だなあと感じてタイムが出る時もあったりするので、滑らせた方がグリップして前に進む場合もあるというのは頷ける話。あと個人的には飛びぬけたパフォーマンスを叩き出す人って常に滑ってる印象があるので、20%滑っていると最もグリップするというのは色々繋がった気はする。まあ速い人にグリップとスライドがいて、スライドの方がどうしても派手でカッコよくて印象に残るからかもしれないけど。シュワンツ、マルケス・・・まあ一番最初に思いついたのは桶スポのミドルのノザネ君。ちょうどこの事を考えたのがSSキラーズ最終戦の直後だったので。一人だけ1コーナー常時滑りながら減速から加速に綺麗に繋げていて、1コーナーで差を付けて飛び抜けたタイムを出していたのが印象的だった。他の人はノザネ君より滑ってないのにストトトトッっとお釣り的な感じだったり、転がりながら跳ねてるような感じだったりするのに。ただ、じゃあ常時滑らせた方がいいかと言えば、やっぱり普通の人にとっては加速度をゼロ付近に保ってコントロール範囲内に収めるが難しいのだと思う。


続く。