サスセッティング土台作り1 まずは底付き解消 | 黄色のトパーズ

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そのバイク、何cc?
俺も昔はバイクに乗ってたんだよ。
スズキのグースってヤツでさ・・・

興味が他に移ってしまって放置中だった サスペンションセッティングの話。 あるものでどうにかする編の前に話を二つ挟みます。サスの話は書き始めた時から何となくの理解じゃなく根本からがコンセプトなので長いです。しかも答えから遡って書いているので、最後まで読まないと分からないという(笑)。そこまで求めてない場合、手っ取り早く問題の答えが知りたい場合は左のブックマークのHRCかヤマハのサイトが参考になる。過不足なくまとまってるし、理屈抜きでもこれだけ見てセッティングを進めれば上手くいくと思う。ちなみにブックマークは走行日程+天気+ライテク(モリワキブック)+セッティングの超厳選リンクです。


まず、何でこんなにプリロードの説明を長々しているのか。セッティングと言えば雑誌等の巷で溢れているのは圧側やら伸び側のクリックがどうしたというダンパー調整の話。これはこれで、ここのノブ回すとどうなるの?という多くの人が持つ疑問に応えてるわけだから良いと思うけど、その手の話が多すぎてセッティング=圧伸びの減衰力調整みたいな風潮が強くなりすぎてると思うんです。その前にもっとやるべきことがある!

オートバイのサスペンションって何なのか?

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図は ブレーキングの時 の使いまわしなんですが、力学的に大事な部分だけ抜き出しました。シーソーにバネが付いている。ブレーキを強くかければ減速状態になり前に傾く(前が縮んで後ろが伸びる)、アクセルを大きく開ければ加速状態になり後ろに傾く(前が伸びて後ろが縮む)。コーナリングすれば前後が沈む。

まずシーソーがバコーン!と地面に叩き付けられたりしない、サスが底付きしないようにする。次にシーソーの姿勢を作る。前後の高さのバランス、前後の車高調整。ここがスタート地点で、これが出来てないと圧伸びクリック(無ければオイル粘度)のダンパーをいくら弄ってもどうにもなりません。底付きしないことが大事なのは分かると思うのですが、前後の車高調整も超超超大事でバイクの曲がりやすさを決定付ける超重要項目。日記のサーキットのとこでも突き出しがどうのこうのよく書いているのですが1mm単位で拘って良い部分。本当にすっごく大事なので強調してみました。前後の車高バランスは土台作りその2で書く予定。


じゃあ圧伸びの減衰力調整(アジャスター・オイル粘度)は何なのか。これはシーソーが動いた後に動きを収束させるスピードの調整。姿勢を作ってからの仕上げなんです。土台が出来てないのに仕上げをいくら頑張っても良いセッティングにはなりません。

縮む一発目もダンパーは影響するので圧側をかけるとかで底付きに対処したり、散々説明している通りプリかけるとかすれば運良く底付きしない状態になることもあるのですが、基本的に間に合わせ。分かった上で間に合わせでどうにかする、あるものでどうにかするってのはアリだと思うけど、壁にぶつかったら原理原則に戻って根本から解決していくしかない。


行き詰って根本的にやろうって時。原理原則に立ち返って、スプリング・ダンパー・プリロードの働きを考えてみる。

・スプリング・・・荷重を支持する

・ダンパー・・・スピード調整

・プリロード・・・縮み側と伸び側のストローク配分を理想的な配分に近づける。 理想的な配分は決まっている(3:7、絶対値なら伸び側はサーキットで25mm程度)ので、本来は配分が決まったら動かさないのだけど間に合わせで底付き対策に使っても良い。 一般的には動かしても±5mm。あるものでどうにかしたい場合は枠に囚われることはない。あるものでどうにかしたり、伸び側が無くなるデメリットと実際に無くしてみた時などは後述。

各部の働きがこうなっているわけだから、底付き解消するにはまず荷重を支持できないとどうしようもない。となるとバネレートからとなるわけです。

減衰力で何故荷重を支えることができないか? 浮いてる船の底に穴が開いた。穴の大きさを調整して沈まないようにすることができるかといったら無理です。穴が小さければ沈むのが遅くなったり大きければすぐ沈んだりといった、穴の大きさで沈むスピードの調整はできますが十分時間が経てば必ず沈みます。ちなみに穴が開いてない状態はフロントフォークがフォークオイルで満たされている油面ゼロと同じ。こうするとフロントフォークは全く動かないけど一応支持はできます、走れたものじゃないですが。どんなサスが理想かという面からも一発目の荷重を減衰力でどうにかするのが駄目な理由を説明できたりもするのですが、底付き解消→前後姿勢→減衰力の順でいくのでこれはそのうち。


まあそんなに複雑な話ではなく、最初の図のシーソーにバネです。バネの上にどのぐらい荷重が乗るかというだけです。バネレートが決まれば減衰力はある程度決まってしまう ので、敢えてサスではなくバネと書きました。静止状態では バネの上にバネ上 、動けばさらに荷重がかかる。

荷重はライダー&バイクの総重量とライダーの操作(加速・減速・バンク)によって決まる。荷重の限界はタイヤ。バイアスならハイグリップより軽い、つまりバネレートは落とす方向。タイヤの荷重限界付近までかけられるかはライダーの腕。前輪後輪の片方だけ使えば限界を超えやすいし、前後輪使えていても操作に正確さに欠ければ限界を超えてしまう。ライダー+バイクの総重量が軽ければ(体重が軽い・バイクを軽量化)バネレートは落とす方向になるだろう。荷重がかけられなかったライダーがかけられるようになれば上げる方向。乗り方を変えたり、走る場所によっては上げたり下げたり。しつこいほど説明している通り、少しだけならプリロードで調整することもできます。


あるものでどうにかする編の前にもう一つ。冒頭でシーソーだ!と書いてしまったのだけど、シーソーだとすると以前に書いたある部分と矛盾が生じてしまうんです、鋭い人は気付くと思うのですが。僕は鋭いので自分で書いてて気付いてしまいました(^-^)/

・・・続く。