今日はちょっと真面目な話。
今週1週間で、【訪問看護ステーションの閉鎖】のお知らせを、3件も聞きました。
これは本当にすごいことだと思います。
コロナ禍開けて以降特にですが、訪問看護ステーションの開設の知らせを
良く聞くようになりました。
訪問看護ステーションは、常勤換算で2.5人の看護師が必要です。
人間を半分に切るわけにはいかないので、実質は3名以上の看護師が必要なのですが、
そんな少ない人数で開設出来ます。
法人も合同会社など、出費が少なく法人設立も可能ですし、
その他諸経費も、少なくて済む会社形態でOKです。
なので、勇気ある、暑き若い看護師が、訪問看護数テーションを開設する事に関しては
『がんばったなぁ~!』『ようやったなぁ~!!』という思いが強いです。
本当に頑張ってほしいと心から思います。
開設情報は、訪問看護ステーション同士の横のつながりから、
「〇〇に訪看出来たよ」「〇〇さん、訪看、作ったんやって~」なんて
小耳にはさむことが多いです。
横のつながりは大事ですねぇ~(^▽^;)
まぁ、それはそれでいいのですが、開設と同じくらい、閉鎖の話も聞くようになり、
さみしい限りです。
志高く、在宅医療を頑張っていこうとしていたと思います。
でも、比較的短期で閉鎖をしてしまう・・・。
そこで働く看護師さんも気の毒だけど、
そこを利用していた「利用者さん」はもっとお気の毒です・・・。
ケアマネジャーさんもてんてこ舞いされている事でしょう。
指示をしていたドクターもお困りではないでしょうか・・・。
閉鎖の理由はそれぞれあると思うし、違うと思います。
運営していて感じるけれど、本当に安定的に運営していくのは大変です。
【訪問看護は水物】ってよく言われますが本当にそうで、
世間の情勢とか、地域の生活状況とか、習慣とか、そういう本当に地域に密着したような事情で
利用者さんが増えたり、減ったりすることも普通にあります。
これはどこのサービス事業者も同じとは思いますが、
訪問看護はその振れ幅が結構大きいのではないかなって思っています。
なぜなら、比較的訪問看護の報酬額が高いからだと思っています。
それと、訪問介護との線引きができない、わからない、あいまいというのも
要因の一つではないかと思っています。
ここは訪問看護師のPR不足だと思っていますが、
訪問看護師が何をする人で、利用すればどんなメリットがあるのかを
伝えきれていないんだと思います。
誰しも健康で、安全で、安楽な在宅生活を望んでいます。
自ら施設や病院に行く方も、もちろんおられますが、統計的には8割以上の方が
本当は在宅で最後まで暮らしたいけど、
「家族に迷惑かけたくない」「必要なサービスが十分そろってない」「医療者がいないのは不安だ」
などの理由から、施設や病院を選択されています。
「在宅サービスが十分あって」「医療者も在宅にしっかりかかわれる」なら、
もう少し、最期まで在宅で過ごす方が増えるのではないかと思います。
訪問看護ステーションが、
「訪問看護ってこんなことをするんですよ」
「訪問看護を利用したら、安心して在宅生活が送れますよ」
という事が広く認知されていけば、
訪問看護ステーションが連立するなかでも、切磋琢磨しながら、
頑張っていけるのではないかと思うのです。
もちろん、競争はあるでしょうが、
競争する事で、サービスの質が良くなったりするので、
競争はありきだとおもっています。
でも、競争する事も出来ず、志半ばで閉鎖になってしまうのは、寂しいです。
そしてこのところ特に思うのは、
訪問看護を利用する必要があるのか、ないのかの見極めができる、病院、ケアマネジャーさんが
少なくなってきている気がします・・・。
もちろんその必要性を本人家族に説明しても、ご理解して下さらないってこともあると思いますので、
一概にこうとは言い切れないと思いますが・・・。
「訪問看護は単価が高いから使いにくい」
一番良く聞くお言葉です・・・。
金額だけ見ればそうでしょう。でもそれって本当にそうなのでしょうか?
例えば、エールに依頼があるケースで多かったのは、
どうしようもないくらいの褥瘡になってからの訪問看護の依頼。
家族や、訪問介護で何とか褥瘡ケアしてきたけれど、
一向に良くならない。
どうしたもんかと困っているうちにどんどん進行してしまって、
「あぁ~もうこれは看護師さんにケアしてもらわんと駄目かも・・・」
となってやっと依頼される。
訪問看護師が初回訪問すると「あら~・・・。」という2文字にいろんな思いが駆け巡ります。
それでも看護師につながったんだ!
いっちょやったるか!!の思いで褥瘡ケアに入ります。
でもね、看護師がはいったとて、そないにすぐには治らんのよね。
看護師も魔法使いではないので、明日治るってことは絶対にない。
【傷は浅いうちに撃て!!】ではないけれど、本当にまだ軽症なうちに、
いやいや、褥瘡のリスクがあるとわかった時点で予防。その為に看護師を入れておく。
のが、できた褥瘡を早く治すポイントです。
褥瘡ができる過程には、様々な要因があります。
それをアセスメントし、褥瘡が発生しないようにケアする事から褥瘡ケアは始まります。
それでも出来てしまった褥瘡は、適切な薬剤やドレッシング材を使い、栄養や清潔、住環境を整え、
様々なサービス提供者、家族を巻き込んでのケアが必要なのです。
褥瘡が深刻であればあるほど、その期間は長期化し、使う薬や衛生材料も多くなり、
訪問看護の回数も増えて最終的には多くの費用が掛かってしまいます。
早い段階で訪問看護を利用していれば、早く治癒し、
費用も少なく済んだであろうケースは本当に多くあります。
褥瘡が治癒すれば、訪問看護の回数が減り…いや卒業だってできるのです。
訪問看護は必要な時に、必要なだけ…ができるサービスだと思っています。
生活環境を整えて、褥瘡が治癒すれば、訪問看護を卒業してまた必要なサービスを入れて、
あらたな生活を構築する事が可能になるのです。
実際、そんな方は大勢おられました。
自分たち、訪問看護の仕事をしっかりアピールし、
必要な時に必要な分だけ、ケアプランに訪問看護を入れる、紹介する。
これが、今本当に必要だって思うのです。
短期間で開設、閉鎖の手続きをするのは本当に大変です。
私は何度もこの手続きをし、疲弊しました・・・・。
本当に本当にお疲れ様でしたと言いたいです。
エールは先日、【認知症の利用者に訪問看護は必要か否か】という
動画もアップしたところです。
これも踏まえて、見てもらって
本当に必要なサービスは何だろう??と言いう事を
地域サービスみんなで考えていけるような、土壌があればいいなと思います。
誤解を招くような表現等がございましたらごめんなさい<m(__)m>