9/28~10/2 は秋分の次項、
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)の季節でした。

寒さを覚えた虫たちが地中に姿を隠す頃という意味です。

昨年のちょうど今頃のわたしも蟄虫坏戸。

突然、膝の激痛に襲われ急遽入院する事になり、
社会から身を隠した状態になったからです。

膝の中に血液が溜まる膝関節内血種という病名で、
とにかく物凄い激痛でありました。

しかし一時的な処置で痛みは治まり、
感染症検査の結果を待って1週間で退院となりました。

家の事も仕事も強制的にストップとなり、
夫をはじめ、スタッフ、お客様・・
周りの人々に大変な迷惑をかけた訳でありますが、

正直に言います。

 

家事や仕事から解放され、
時間に追われる生活から解放され、
上げ膳据え膳のお姫さま。
朝から晩まで本を読み放題、

痛みが治まってからは、
まるでリゾート気分でありました。

ガラケーだった私はSNSが繋がらず、
テレビもラジオもなし、


コロナ禍で家族の面会もなく、
病室は2人部屋にもかかわらず最初から最後まで1人。

少し話すのは看護師さんとだけ。

でも実はそれが良かった!
○○しなきゃ・・が全くない!
なんて自由!


これまで当たり前にあった日常がストップし、
自分が自分だけになるという体験は、
人生においてとても貴重な体験でした。

また退院後も杖をついて歩く状態で、
結局は2ヶ月近く店を休業したので、
本当にゆっくりとした時間をもらいました。

 

一年経ってみると、
あれは神様がくれた時間だったな・・と思います。

痛いのは嫌でしたが、
私には必要な時間でした。


病室ではよく空を眺めていました。。
雲の動きは面白いですね・・

その時、病室から撮った空です。



入院中、思いました。

時間って、本当はゆっくり流れていたんだな・・
何故、いつもあんなに忙しかったんだろう・・?

休みでも全然休んでいなかった・・


暖かい春が来るまで静かにじっとして越冬する虫たち。

「じっとしている」
「何もしないを楽しむ」

時にはそんな時間もあっていいんだ。。


蟄虫坏戸の季節、
今、改めて1年前の事を思い出し、
大切なことを虫たちから教わった気がします。



ライ