妻子や部下は優しく対応しなさい。そうしないと恨むようになり、主君のために尽くさないものだ。それでも場合によっては、妻子や部下を諫めてはならないこともある。町人百姓で喩えてみると、金持ちが思い通りにならないときは、人を雇って質をそのままにして流してしまい、高利貸しから借りたりする。その雇われた人は多くの利益を出して、自分の損失が増えていき、一年我慢し二年我慢し、らい病で肉がそぎ落ちるように、遂には家を破産させてしまう。

 

こういうときは妻子や部下は外聞を気にするが、悔し泣きすることがあっても早く覚悟を決めて家屋敷を売り払い、資産を減らして返済する。こうやって早く安心できるようにしなさい。

 

金持が破産するのはだいたいこんな感じであることを知っておきなさい。また、傾きかけた資産を狙って山事を進める人もいる。こういうのには十分に注意しておきたいものだ。

 

酒が好きな人は酒が原因で我を失い、色好みは色欲で我を失い。玩弄具を好むものはそれに心を奪われる。草木や動物が好きな者はそれに心を奪われる。碁、将棋、茶の湯、俳諧、狂歌、蹴鞠、琴、三味線、踊り、謡どんなものであっても、その家の主人が好きなことに奸者が入り込んでくるから気をつけなければならない。

 

君子っぽい態度、新設を装う者、こういう不誠実な人は多い。女房に振り回されることにも注意しなければならない。女は騙してくる上に、諺にめんどり誘えば雄鶏辰をつぐるというように、「女房が」という人が多いが、そうなると女房に悪人が近づいてくる。よく注意しなさい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今の時代にはそぐわない表現がありますが、まあ従業員管理は難しいものがあります。誉めればつけあがるし、叱れば不貞腐れるし、指導してばかりいたら覚えないし。まあ、自分より優秀であれば自分の上司になってますよ。

 

さて、趣味を持つなという訳ではなく、趣味ばかりで本来の仕事を忘れるようなことをするなという意味でしょう。接待なんざぁそのすきに入り込むもんですから、要注意です。

 

しかし、いい大人がゲーム三昧、スマホ三昧というのはいただけません。今は聞かなくなりましたが、子どもを公園で遊ばせてスマホを見ているうちに子供が事故に遭うみたいなこともありましたね。