心を正直にして仕事に精を入れて稼いだ金銀は体の一部であり、良い種となる金銀であるので次第に栄えて、いつの間にか楠分限[1]となる。悪種で稼いだ財産は、一度は栄えるようには見えるがいずれは破滅するだろう。悪い種となる金銀は、例えば奉公するとき主人の財産を盗んでそれを元手にしてまた奉公中に外持商売[2]といって主人に隠して、主人に食わせてもらっていながら商売をして、貯めた金で宿這入り[3]するようなことをするようであれば、左前になって先行きはない。博打に勝って手に入れた金銀や盗んだ金銀、相続を強引の横取りした金銀など、悪い種であるので、火事に遭って崩壊する事もある。あるいは、怪我をして腰抜けになり、気が狂うこともある。

 

悪人の求めがきっかけで崩壊することもある。可愛がっている子供がぼんやりした子になってしまって、わけのわからないことをするようになることもある。悪事や災難で様々な形で家を必ず滅ぼす。

 


[1] 長い年月の間に小利を積み重ねて、確実に資産を殖やした金持ち。

[2] 本職以外の臨時の金もうけの仕事。

[3] 奉公人が暖簾 (のれん) 分けをしてもらって独立すること。

 

客さんの会社で変なのがいました。資格モノの会社なのですが、あるバツイチのおばちゃん、一見すると人当たりはいいのですが実は物凄くキツイ人でした。そもそもその会社ではそんなに高い給料を払っていないはず。

 

元夫は金融機関の人でそこそこ給料を貰っていたようなのですが、離婚でかなりの養育費をかっさらって行ったようで、3年毎に外車を買い替えていました。自分の娘に使う訳ではなく、自分の贅沢に使っていたんですね。親と住んでいたようなので、一銭も家に入れずに全て自分のお小遣いにしてたのかな。

 

さらに、その会社には跡継ぎがおらず結局どうするかということで、従業員に譲渡することになりました。ところがここでトンデモなことが発覚しました。何とこの従業員が会社の顧客に声をかけて「独立するからうちに乗り換えろ」と言っていたようでした。要するにここでいう外持商って奴で後から顧客から聞いたのです。社長が替わるならとその客はよそに切り替えていきました。

 

その従業員はどうかというと、どす黒さ満載で従業員で引き継いだ後はものを持って帰るやらなんやら。娘の面倒は親に見せて遊んで帰ってこない、挙句には娘は自殺未遂事件を起こして警察出動、無理して入れた私立中学校高校は大学の付属だったのにもかかわらず大学にも進学できず、今や完全な引きこもりになっています。

 

見事なまでの毒親ぶりですね。毒親になるような人は会社でもこういうことをするんですよ。おそらく人格障害なんじゃないかなぁ。本当に娘が可哀そうです。