さて次の心法の内第一の追従軽薄というのは世界どこでも自分より目上には従い、軽薄でなければ出世できようか。言うまでもなく町人においてはなおさら仕事では最も重要である。少しでも徳のある人は、他人から笑われようが構わずついて回り、お髭の塵を取るのが重要である。

 

昔から、追従軽薄で立身出生してきた例は外国でも日本でも多い。得意なのは、勿論家業をもっている者は小金を稼いだ友人、または一族丸ごと追従すること程よいことはない。追従と自覚しながらも悪いことではない。それを悪い心得に追従して金儲けしても大したことではないと思うようであれば、心に貧乏の怒りを降ろし一生暮らしていなさい。とかく追従軽薄が金持ちへの最も近道である。

 

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もう少しい表現はないのかなと思いますよ。追従と軽薄は当時も今も同じ語感です。恵比寿屋さんなら、「少しでも愛想をよくしなさい、かわいげに注意しなさい」と書きますね。

 

24歳で会社を興して、資本金集めに苦労していた人がいました。技術的には非常に面白いのですが、とにかく可愛げがない。プライドが高いときうか、こんなのは客ではない!と結構普通に言ってるんですよ。その商品の意図からして、そういう使われ方するのは不本意だというのは分かります。だからって、その言い草はないんじゃないか?と。

 

最初は金の工面で私にくっついていましたが、しばらく様子を見ていました。ある程度世間にもまれたようなので、「出資してやろうか?」という話になったら「出す気あるんですか?」と。流石にカチンときて、放置しました。

 

商売はいい商品だから売れるんじゃないんですよ。安いから売れるんじゃないんです。感情なんですよ。こいつから買いたい、こいつは絶対嫌だの感情なんです。しかも仕事をくれるの親父世代、そういう人に好かれないと仕事は回ってきません。おばさんは値切るだけ、親父の方が抱いたきちんと金を払ってくれます。せめてそういうひとに嫌われない努力は必要ですよ。

 

勿論、親父世代でも嫌な奴はいますよ。嫌なら喧嘩になる前に離れなさい。どうしても付き合わなければならないなら、諭しなさい。