現銀買いが世間に知られるようになれば、それが広がっていき我も我もと安く商品を持ってくるようになり、資金の必要なことがあれば口銭はなくても、こういう理由で安く買って欲しいと値切る前に相手から安くすることも出てくる。資金欲しさに他所よりも商品を持ってきて、自分の商品は誰が売った商品の値段より引き下げてというような状態で資金を手に入れようとする一方、どうしても買い取ってくださいと頼みこむ者が出てくるもので、諺の「声無して人を呼ぶ」というように、店に居ながら安く買えるようになる。得意先には誰それは仕入れが安いので、売値も安く商品も沢山になれば、現銀であっても誰それの方でも買う方が利益になる。買う人も徐々に増えていき商売も自然に繁昌していくだろう。

 

多くの世間の商人は、百目の元手で三百目の商品を仕入れる。一貫目の元銀があれば三貫目の商品を仕入れ、外見を調えて商売をするように思えるが、こういうのはあてにならない浮雲のようなもので、万が一でも売り先に問題が起きれば、思うとおりに売れなかったときは、支払いの時期になって大変困ることになる。

 

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これは不動産投資にも当てはまりますね。

 

よく新聞の折り込み広告や、怪しげな不動産投資雑誌を見ると、借金ありきで話がスタートします。頭金20%出して80%を借金で買って、利子を経費に入れて減価償却から所得税から控除対象にして・・・場合によってはレバレッジを聞かせて・・・なんて電話がかかってくることがあります。

 

ふざけんなよ!そもそも本当に儲かる不動産を不動産屋が売るわけないでしょう。売りに出ているのはそれなりの理由があるのです。一番怪しいのは、満室だから安全ですと言いながらも、名変した瞬間に入居者が出ていくなんて話は良く聞きます。だから、借金なんかで買ったら本当に大変ですよ。

 

知り合いはその手口で、1年後には退去が相次いで稼働率30%なったという人がいました。この業界千三つ屋が多いですから。

 

バブルの時はありましたね、デパートは出展した店舗を担保にして次の店舗を出して・・・で一挙に多店舗展開したところがありましたが、2000年に入る前にみんな倒産するか買収されて跡形も無くなりました。