御免状が下ったら庄屋のもとに村内の百姓を集めて、年貢が全て納め終わるようにお定め通りに守り、凶作で守れないときは、詳しくその経緯を記して願書を届けて、百姓の病気や耕作や田植え畔の修理が遅れた者がいたときは、親類や隣家は病気をいたわることは勿論の事、その苦労から救い村内でも助けてやって、田畑の植え付けや畔の修理その他の仕事も協力しあうというのは、これはそれぞれの人たちのためである。

 

これは人間であったら誰もが心得ておいて欲しいことだ。長く数人の人が病気になり、親類も何ともしようがなくなった場合は、なるべく早くその件について要望書を出しなさい。

 

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村中が納税については連帯責任状態ですから、そりゃ助け合わないと大変なことになります。しかも数年置きに、耕作する田圃を入れ替えて不公平がないようにしていましたから。ある意味集団農場、ソフホーズみたいなところがあったのかもしれません。勿論、庄屋は共産党の幹部みたいなことはしなかったと思いますけどね。

 

そうでなくても、土砂崩れや川の氾濫で誰かの土地が使えなくなったとしても、結局その人たちがいるから自分の農地が使えるわけですから、「そんなの関係ねぇ」とは現実に言える状況ではなかったと思います。

 

助けてもらうにも、助けてくれる人に「申し訳ない」となかなか言い出さない人がいますが、これは却っていろんなところにしわ寄せが来ることになります。お願いですから、そういうことはしないでください。これは自分の手に負えそうもないと思ったときは、ちゃんと言いましょう。勿論面倒だからと放り投げるのは論外ですよ。