例の貧乏人扱いの人でも、若い時に死んだなら、一生金持としての扱いだったろう。これは長生きしたことが不利になった。また金持ちも、もし若いときの貧乏の状態のまま、どれだけのふしあわせの扱いだったろうか。これは長生きがいい巡り合わせとなった。

ならば、人払いを慎まなければならない。若いときにどれだけ金を持っていようと、これを根拠に驕るようなことをしてはならない。また、貧乏だからと言って悲しんではならない。

 

とにかく家業を大事にして天命を楽しみなさい。死ぬまで全うしていれば一生の功績は得られるものだ。特にこの北浜の商いは、一回相場が上がればとてつもなく大きいので、昨日までの生きていくのがやっとだった人であっても、朝に利益を得て何万貫の金持ちと呼ばれるようになる。実に楽しみがある商売である。

ー--------------------------

 

大抵の立場は10年あれば、ひっくり帰すことは可能だと思っています。中学校、高校の時の同級生見下していた相手が、大学卒業して数年もたつと全く違う見た目にもなり、信じられないような仕事をしていることはよくある話です。悔しがって見下すようなことを言っても、現前とした事実は変わりません。

 

逆に、あのときは優秀だったのに、え?と言いたくなるようなことをしているのもあります。特に10代から20代、この辺りの立場のひっくり返りは大きいですよ。次は40代から50代の変化もそうでしょうね。家庭の構築成功と失敗、商売の成功と失敗・・・ありとあらゆることから他の所に影響し、こんなにも変わるのかというくらい大きく変化します。

 

逆に変化しない人は、何もしなかった人だと思った方がいかも知れません。ひたすら淡々と家庭でも財力でも右肩上がり、右肩下がりはあり得ませんし、期待してもあり得ません。

 

ならばほんのわずかな兆候でもよいものを見つけて努力していくしないですね。