天地日月の恵みは、物を養い育て長く生かすものである。その中に育つ人が悪事をするのは、天地に背くことである。世の中の悪事という悪事、物を育て育てる道理はないので、片っ端から壊す事のみである。天地は物を育てる器である。その中に壊すものがいれば、それを保って置けようか。例えば水の中に火を入れるようなもので、山の上で魚を飼うようなものである。どうして上手くいくことがあろうか。人間というのは一日であっても天地日月に逆らっても生きてはいけない。この点をよく考えるべきである。人間は正直を第一に考えなさい。信がなければ人としていられない。

 

『荘子』のお話の中に、盗人であっても五常あると書いてある。盗人であっても、親子妻子兄弟もいる。盗人は蔵の壁を壊して盗みに入るだろが、親を養い妻を可愛がり子供を心配するのは人情である。この人情は天地から気を受けて、強盗をする根性も自ずから五倫五常[1]の道がある。盗人は親を山に捨てることはなく、盗人だからといって妻なしで暮らすこともないだろう。

 


[1] 「五倫」は五つの道徳法則のことで、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信。「五常」は五つの徳目で、仁、義、礼、智、信。

 

こすっからいことをやると、却って利益を失うことはあります。ですが、夢を持たせることと、騙すことは違います。

 

セールスマンは騙すようなことはやってはいけませんが、これを買ったらこんな風になると思わせる努力は必要だと思います。

 

盗人に五倫五常?いや、生活に困ってやる分にはそうでしょうけど、海外だとそんなことはないですよ。だんだん日本でもそんな雰囲気になってきましたが、まともに働こうとせず職業として窃盗を働く人はいますし、酷いのはゲーム感覚です。こういうのはイスラム教のように手を切断しろとまでは言いませんが、おでこの入れ墨はあってもいいのかと。

話を戻して、ヤクザの世界で刑務所にぶち込まれた人でも一応礼儀なるものがあるそうで、世間のそれとは大きく違いはあるものの結構うるさく言われるそうです。場合によってはそれで命を落とすこともあるとか。