凡人が資産が増えないことを取り立てて言うことは、樹木が枯れつつあるのに生かしてほしいと言っているようなものである。

まず、大木が枯れているのをそのままにして、あるいは杖で支えて肥料も与えて生かそうとするが、無理だろう。ならば、大きく枝を切り本木[1]まで切ることで助かることがある。

また、樹木によって栢木の類は枝を切ると却って枯れてしまう。ここの重要な点は本木の状態と生気があるかである。生気があればどこが強いかをよく考えて、この木は日向に植えるべきか、土地を変えたほうが良いのか、また陰に植えたほうが良いのか、水気が多い方がよいか細かく考えて、また植え方にも浅く植えたほうが良いものもあり、深く植えたほうが良いものもある。陰を好むものは冷やし、日向を好むものは温め、その木の性質によってそれぞれ違いがある。水に浸して日数を置いてから植えるものもあるし、干してから植えるものもある。季節においてそれぞれ違うものだ。遅く植えたほうが良いものもあり、急いで植えたほうが良いものもある。これは工夫することが重要である。それをなんというかと言うと、栽培という。植え方が重要で肥やしは次の問題である。植え方が悪ければ肥やしを入れても枯れてしまう。これは生気が重要であり、肥やしは助けに過ぎないと分かるだろう。

 


[1] 木の根元。

 

人は本当にそれぞれで、人が嫌がるような仕事をやりたいという人がいるのです。

一番驚いたのは、クレーム受付係をやりたいと。私には到底無理です。私がやったら、おそらく苦情を言ってきた人を論破して追い返してしまうでしょう。

クレーム係をやりたいと言っている彼の様子を見ているとそういうのがうまいんですよ。目が吊り上がって、隣にいる旦那ですらも制御できず、ギャーと言っているようなおばさんでも、終わるころにはにこにこしているんですよ。

凄い能力の人がいるもんです。

本人はそういうのが向いていると自覚しているのでいいのですが、自覚できていない、あるいはそういうのは下種(ゲス)のやることだと思い込んでいる人たちがいます。でもそういうのが向いていることだってあり得るのです。