全ての若い者、小息子は奉公人によって大きく考えが変わるとはいえ、重要な考えは一つである。二十歳前後の間は慎まなければならない事の中には色事である。聖人の言葉を守るまでもない。色欲の道にはまることから、様々な行いの悪さがでるもので、第一に注意し、心を引き締め色事にはまらないように工夫しなさい。こういう工夫をしている若い者は必ず出世する。子夏[1]という人の戒めには、「賢を賢として、色にかえよ」とある。この意味は、色を好むかのように賢の道にかえなさいと言う意味である。とかく若いときは老人とは話が合わないもので、回りくどくて愚鈍だと思うものだ。こういうのは血気盛んであることから、身勝手や悪いことを嫌う心から出てくるので、自分は気に入らなくても、長者老年のいうことはまずはやってみて、馬鹿にするような態度はしてはならない。

特に中分以下の若い者は、親や奉公先の主人の家業を、どうしようもない家業だと馬鹿にして、自分は出世しようと心の中で様々な思いを巡らしているものだ。その志は善いのだが、実際の思いは自分の思いのままに財産を使って、気儘に贅沢がしたいための出世を望んでいる。先に贅沢が先に立って勤めると途中で疲れて、これではやってられないと放置する感じで、結局出世し損なうだろう。

また多く付き合う友人によって、悪しき道に誘われると出世できないだけか、その身もろくでもないところに陥るだろう。また、衣服など雰囲気が派手な事を好むのは悪いことで、遊郭通いで遊んだりして、老実ものに咎められて、さらにその後に悪くなることがある。

昔、鄭の国に子减(しぞう)という者がいた。故あって宋の国に出かけて行った。綺麗鳥の羽を着けた冠をかぶり、美しい服を着て歩き回った。このことを鄭の国守はひどく嫌った。泥棒を語ってこっそり子减させようとした。そこで、君子は「服を正しくしないのは身に災いが降りかかる」と戒めた。こういうことには許しがあるべき事だ。

あるいはときどきの物見遊山や友人に誘われての遊郭で遊び、たまには許すだろうが、遊郭通いについては智者、愚者貧富に関わらず必ず深入りして財産を失う。出世を願い財産を築きたいと思っている若者は、色事については自分の心を引き締めて、面白いと思う前にやめなさい。全てどんなことであっても、面白いと思うようになっては、将来が危ないと思いつつも、親や兄弟の忠告を聞かず、家業も怠り一生出世妨げになるのはいちいち説明するまでもない。

 


[1] 子夏(しか、紀元前507年? - 紀元前420年?)は、孔子の弟子。学問を好み孔門十哲の一人である。

 

バブルを思い出しますね。新卒学生を取るのにソープまで連れていってなんてことがあったようです。ド派手のペイズリー柄のネクタイに紫のスーツ。キンキンにとんがった革靴。今となっては恥ずかしくて着られないでしょう。ああいう派手な事をやっていたところは軒並みリストラの対象になりました。

私この当時はバブルとは全く関係ない世界にいたので、世間ではこんなことになってるんだぁぐらいしか思いませんでした。

しかし、服装がどうのとは言いますが、その場その場で適切な服装というのがあります。IT関係者はどこに移行がGパンにTシャツといったラフな格好が制服のようになっていますが、仕事をしている分にはいいのですが公式的な場にもあの恰好で来るというのはどうも。

うちの職場にもそんな恰好で営業にきた挙句、タメ口で話をしていきました。純粋にIT関係でやってきた会社はこういうところがだらしないですね。

商社系や製造業系はこういうことがないので、安心して任せられそうな気になってしまいます。