カチカチ山

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昔々、小さな村に仲良しなおじいさんとおばあさんがいました。


しかしその村ではいたずらな狸がいて、
おじいさんとおばあさん、そして村人は悩んでいました。


そんなある日おじいさんは畑仕事のため家を出掛けます。

「おじいさん狸がまたでるかもしれない、
気を付けて行って来てくださいね!」

おばあさんが心配そうに言うとおじいさんは
「大丈夫、おばさんも気を付けるんだよ!」と言い家を出ました。


その道中おじいさんに一匹の兎に話しかけられた。
「おじいさんこの間はありがとう!おかげでこんなに元気になったよ!」

その兎は以前、狸にいじめられて怪我をして
おじいさんに助けられたのです。

「おーうさぎさんか、元気になってよかった」
「おじいさんこれからどこへ?」
「これから畑仕事だよ」
「そうですか、狸に気を付けてね」
「ありがとう」

兎に見送られておじいさんは畑へ向かった。



おじいさんが畑に到着すると驚愕な光景が!!

なんとあのいたずら狸が畑の食べ物を荒らしていました。


「こら!このいたずら狸めがっ!!」


これにはさすがに怒ったおじいさんが逃げる狸を捕まえました。

「こいつめ!今まで迷惑ばかりかけて!こらしめてやる」
狸の手足を縛って家に持って帰りました。


「おばあさん!やっと狸を捕まえたよ!こいつは私がこらしめるよ」
縛った狸を置いておじいさんはまた家を出ました。

その頃おばあさんは家でせっせとお餅を突いていました。



それを見ていた狸が優しくおばあさんに話しかけました。

「おばあさん、僕が代わりにお餅を突いてあげるよ!」

しかしそれを聞いたおばあさんは
「何言ってるの、そんなこと言って逃げる気でしょ!」
と狸を冷たく言い放ちました。

「そんなことしないよ!
そんな力仕事おばあさんにさせられないよ」

と狸は説得を続けました。

「僕が代わりに突いて、終わったらまた縛ればいいよ!」

その条件をのんでおばあさんは狸の縄を外しました。


「じゃあお願いするよ、終わったらすぐにまた縛るからね!」

「わかってるよ。じゃあおばあさんはお餅をこねて!」

そう言われおばあさんはお餅をこねて準備しました。


狸は一生懸命準備してるおばあさんの後ろで杵を強く握っていた。

そして思いっきり杵を高く上げ、
おばあさんを殴りつけました。


そしておばあさんを撲殺した狸は素早く家から逃げ出しました。



そして家に帰ってきたおじいさんは言葉を失った。

おじさんはおばあさんを抱きかかえて声を出して泣いた。


その泣き声を聞いて兎がやってきました。


「どうしたのおじいさん?!」
駆けつけた兎は現場を見て驚いた。

おじいさんは一部始終を兎に話しました。

それを聞いた兎は表情が変わり怒りの顔へ・・・


「おじいさん、私が仇をとってあげます!」


そう言って兎は山へ帰って行った。




一方狸は凝りもせずに山をふらふらしていた。

その時、茅を集めてる兎と遭遇した。

その姿を見て狸は兎に尋ねた。
「おい兎、そんなに茅を集めてどうするんだ?」

「今年の冬は寒いというからこれで暖かい家を作るんだ」

「なるほど、じゃあ俺が手伝ってやろう」

そう言って狸は束になってる茅を担いだ。

「なぁ兎、手伝う代わりに俺の家も作ってくれ」
「うん、いいよ」
「じゃあ俺の家を作ってからお前の家を作ろう!それでいいな?」
「あぁいいよ。」

そう話しながら二人は歩いていた。

すると狸の後ろを歩く兎が石をブツけ
カチッカチッ!と音を立てだした。


それを聞いた狸は
「これは何の音だ?」と聞くと兎は
「あれはカチカチ鳥だよ」と答えた。

「カチカチ鳥か、よく鳴く鳥だなぁ」
と笑っていました。

兎は笑う狸とは裏腹にカチカチと石をぶつけ続けた。
そして徐々に狸の背負った茅の束に火花が付きだした。

火花に息をかけたりして兎は火を起こした。

じわじわ火が付いていることに気づかない狸


そしてついに、
「なんだか熱いなぁ・・・」

ふと振り返ると自分の背中で火が燃えていた。


狸絶叫


狸は悲鳴を上げながら山奥へ走って行った。
それを誇らしげに見つめる兎。



翌日

背中を火傷で痛めた狸がすごい形相で兎を探していた。


すると山で何かをこねて作っている兎の後姿を発見

「おい兎!昨日はよくも!!」

掴み掛ろうとし兎が振り返った。
昨日の兎とは顔が違う。

「おや狸さん、何をそんなに怒ってるの?」
「お前は・・・昨日の兎じゃないな。」

兎は顔に模様を付けて変装し上手く狸を騙した。


「狸さん、君が言ってるのは茅山の兎じゃないかな?
私は影山の兎だよ」

「おぉそうか。
ところで影山の兎よ、何をしているんだ?」

作業姿を見ると兎は何やら黄色いものを練っていた。

「今火傷の薬を作ってるとこなんだ」

それを聞いて狸はうれしそうな顔になり
「おぉそれは丁度良い!
俺の背中にその薬を塗ってくれないか?」

「良いよ」


兎は狸の背中にお手製のからし味噌を
これでもかっ!というぐらい狸の背中に塗りつけた。


狸絶叫


狸は悲鳴を上げ山へ走って行った。



翌日

負傷してる狸は池の辺で船を作っている兎を発見

「おい!景山の兎!今日こそ痛めつけてやる」

襲いかかろうとした瞬間、兎が振り返った。
兎は顔の模様を変え、またもや変装していた。

「お前、景山の兎じゃないのか?」

「俺は松山の兎だ」

「・・・んーおかしいなぁ。」

またもや兎は狸を騙せた。


「ところで松山の兎、こんなところで何してたんだ?」

「今年は雪が多かったから山のものが取れなかったんだ。
だから池の魚でも取ろうかと思って」

「なるほど、でもなぜ船を二つも作ってるんだ」

見ると木で出来た船と土で出来た船があった。

「木の方は小さいからあんまし魚が乗らないから、
大きいのを作って沢山魚を取ろうと思ってる」

「ほーなるほど」

「どうだ狸さんよ、あんたも一緒に魚を取らないか?」

「おーそれはいい!」

「俺はあっちの船に乗るから、狸さんはこっちの大きいの使いなよ」

「そうか、すまないなー」

そう言って兎と狸は土の船を池の中へ入れた。
狸が船で進むのを見て兎も船に乗り池に出た。

二人は船を漕いで池の中心へと進めた。


すると徐々に狸の乗った土の船にヒビが入り
じわじわ水を吸って船の色が変わってきた。


その異変に狸が気づいたが時すでに遅し。
船はどんどん割れていき池に沈んでいく。

「なっなっ、なんだっ?!!」

慌てる狸、でもどうすることもできない。

そして船は池の中へ沈み
狸も船と共に沈んでいく。

もがいてももがいても沈んでいく一方



狸沈没
狸が上がってくることはなかった。

兎はそれを一部始終見届けた。




全てをやり遂げた狸はあるとこへ向かった。

そこにはお墓の前で涙流しながら手を合わせる
おじいさんの姿。

「おじいさん!」

おじさんは振り向くと兎が駆け寄ってきた。

「おじいさん、狸をやっつけたよ!」

おじさんはその言葉に涙が止まった。

「おじいさん・・・私とっても怖かった・・・。」

兎は恐怖心から解放されたのか目に涙を浮かべていた。

「そんな怖い思いをさせて・・・」


おじいさんは兎を抱きしめ二人でおいおいと泣いた。
そしておじいさんは兎に何度も何度もお礼を言った。


二人はおばあさんのお墓に手を合わせて
おばあさんの冥福を願った。




【おわり】