行ってまいりました!末永匡さんのリサイタル!

珍道中的なことは後日にいたしまして(あるんかい!)
まずは今日の感想をば

ご一緒してくださったのは敬愛するKさん(この日初対面)
ワクワクドキドキと会場に向かうと入場を待つ行列の平均年齢が…かなり…高い

思わず顔を見合わせる私たち
もしかして、私たち場違い…?

「No.9-不滅の旋律-」をきっかけに末永さんと言うピアニストを知ったのですが、実は地元のご出身(と言うかお育ち)
今回はいわば凱旋公演(&地元へのサービス)
客席には昔馴染みの方と思しき方やきっと長年応援されてきたのであろう方も…
私たちミーハーだったのかしら…ガーン

などと言いつつも手渡されたプログラムを見ると…
「エリーゼのために」
「悲愴」
そして「月光」も(予定では先の2曲だけだったので)
キャー!と大喜びの私たち(やっぱりミーハー)

300席ほどの客席はほぼ満席
ステージにはグランドピアノ1台だけ

まずは事務局の方がご挨拶とプログラム説明
曲目はベートーヴェン、ドビュッシー、ショパンとなじみ深いものがほとんど
ベートーヴェンの3曲が終わったら休憩を挟んでトークコーナーがあるとのこと
思わずときめく私たち(とやっぱり潜んでいたお仲間と思しき数名)
空気だけですよ、キャードキドキとか言いませんよ汗

そして紹介と共に現れた末永さん
万感の想いで見つめる私たち(たぶん)

1曲目の「エリーゼのために」が始まります…


これが衝撃でした

後でKさんとも語り合ったのですが、プロが、生で演奏する「エリーゼのために」を聴くのは初めてだったかもしれない…
「すごい…」と呟きたかった
ちょっと上手なこどもが発表会で弾く定番のように思っていた曲が、まるで生まれて初めて聴く楽曲に生まれ変わったかのよう
「どうだ?わかったか!これが天才ベートーヴェンの作った曲だ!」とルイスが目の前で笑っている様でした
また末永さんの右手が羽根のように優しく滑らかで…
ただただ聞き惚れてしまいました


次に始まった「悲愴」
瞬間固まる私

これ
この音
「No.9~」初日以後この音の面影を探して色々なCDを聴いたけれど、確かに同じ曲であり素晴らしい演奏であったけれど何かが違うと言う歯がゆさが拭い切れずにいた
一気に満たされていく心
そして甦ってくる舞台
それは正しく「甦り」
目の前のステージと二重写しであの舞台が浮かんでいる
今そこにルイスが
マリアが
フリッツが
カールが
カスパールが
ニコラウスが…


さすがに全員は書きませんが


雷に打たれたように身動きも出来ず聴き入っていました

そして思ったのです

私は「No.9~」以前の末永さんのベートーヴェンを知らないけれど
もしかしてあの舞台以後末永さんを始めとするピアニストの皆さまにとっても、もうベートーヴェンの存在や楽曲や解釈が変わってしまったのではないかと

続く「月光」

ああ、ここは一つの会場だけれど観客は二種類なのだ
「No.9」を経た者とそうでない者
どちらがどうと言う話ではないけれど
同じ会場を分け合いながら
同じ曲に聴き入りながら
この曲に対する想いは異なっているのだ

こんな思いを抱いてベートーヴェンを聴く日が来ようとは

そしてまた思うのです

ああ、この人もまたルートヴィヒなのだ
あの舞台においてはピアニストだけではなく、これらの曲もまた「出演」していたのだと

もちろん曲ごとに大拍手なのですが、思わずスタンディングオベーションしたくなるほど熱のこもった素晴らしい演奏でした


ここでいったん末永さんが退場
実はこの3曲ですでに40分が経過とのこと
途方もない集中力と体力を必要とするのだなぁと改めて思いました

20分の休憩中も興奮を隠せない私たち
早くもアンコールでベートーヴェンをやってくださらないかしらとワクワク

休憩後のトークタイムは事務局のおじさま仕切りなのですが…
なんと、のっけから運ばれてきたのが縦長のホワイトボードにポスター…?

「No.9」!!
それも朝日新聞の広告切り抜いたやつー!!

ざわつく気配の一部観客とぽかんとしておられるその他の皆さんあせる

ここで事務局のおじさまが舞台についての紹介とそこに末永さんが出演されていたことを説明(「あ~」「へ~」と好意的な反応)
意味もなく「No.9」のトートバッグを握り締める私

この舞台では末永さんもお芝居をされていたのですか?との流れから「や、そんな演技と言えるほどのものでは~汗」と焦りつつも謙遜しながら居酒屋のシーンなどを説明される末永さん(可愛い~にひひ
でも実は我々も休憩中に話していたのです。末永さんたちはこんなすごい曲を演奏しながら「え?いや~そんな人は見ていないなぁ」とか「カンパーイ」とかやってたんですよね~、すごいよなぁって

お話はオーケストラピットではなくステージ上に3台のピアノがあって、3人のピアニストは出ずっぱりだったことへと
最初は末永さんたちもピアニストは演奏だけだと思われていたようで、演出の過程でやっぱりステージ上にと言われて驚いたり、「この台詞の、この音が発音されたところで(ピアノの)一音を弾くように」と言われて、分厚い台本と首っ引きで格闘していたけれど全公演が終わる頃にはすっかり諳んじてしまったことなど、楽しそうに語ってくださいました
末永さんも弾きながら吾郎さんや(吾郎さん呼び音譜)大島さん、長谷川さんの姿が浮かんでくるそうで、私たちには大変おいしいラブラブでも舞台未見の方たちにはちょっときょとんな時間でしたべーっだ!

この後、ドビュッシー、ショパンと続くことから、「ベートーヴェン、ショパンの並びにドビュッシーはちょっと異色では?」と言う流れになって、ここで今回使われているベヒシュタイン社製のピアノの話に
日本ではそこまでピアノメーカーに光が当たることは少ないけれど、末永さんは各社のピアノの弾き比べ、聴き比べ講座などもされているそうで、特にこのベヒシュタインに関してはドビュッシーが「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ」とまで語っていたと言うお話に

多くの音楽家に愛されたと言うベヒシュタイン

優れた音楽家にとって優れたピアノ職人は欠くことの出来ない大切な相棒なのだなぁ…ナネッテー!アンドレアスー!!とやっぱり私はベー様脳しょぼん

さらにお話はショパンへと続くのですがちょっと今日は時間切れ…ガーン

続きは明日以降へ~パー