『ブラック・クランズマン』
【原題】BlacKkKlansman
【製作年】2018年【製作国】アメリカ【監督】スパイク・リー
【主なキャスト】ジョン・デヴィッド・ワシントン、 アダム・ドライバー、 ローラ・ハリアー、 トファー・グレイス、 ヤスペル・ペーコネン、 コーリー・ホーキンズ、 ライアン・エッドールド、 マイケル・ジョセフ・ブシェーミ、 ポール・ウォルター・ハウザー、 アシュリー・アトキンソン
まだ観ていなかった、アダム・ドライバー出演作を観ることにしました。
こちらでは、大好きな『パターソン』の時みたいな、ほんわかした雰囲気もみられました。
この味わいは唯一無二で、個人的には、こういう役柄の方がしっくりくると思っております。
主人公を演じるのは、ジョン・デヴィッド・ワシントン。
もう、“息子さんの方” なんて言いません。存在感があります。
人種差別を扱っていますが、バディもののような一面もあり、おもしろかったです
あらすじは…。
コロラドスプリングスの警察署 初の黒人刑事となった、ロン (ジョン・デヴィッド・ワシントン) は、
白人至上主義団体 KKK[クー・クラックス・クラン]に潜入捜査をしようと考えます。
電話で入団面接までこぎつけますが、白人でなければ対面できないため、
同僚のフィリップ (アダム・ドライバー) に面接に行ってもらい…。
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ネタバレあります。
実話ベースで、題材が人種差別というと、説教くさくなりがちですが…
コミカルな味もあり、わかりやすい。
潜入したフィリップが、“身バレするのじゃ?” というスリルもあり、グイグイ引き込まれます。
ただ… エンディングの、実際の映像は必要だったのでしょうか?
Mr.トランプの姿には、なんだかシラケました。
特に今は
(邦画で、実在の政治家の映像が出てくるなんて考えられないので、日本より、自由だなと感じるものの)
とはいえ、声はロン、姿はフィリップ。
2人で1人を演じる刑事たちが、魅力的でした。
ボケとツッコミみたいで、重々しくないのがいい。
特に、フィリップが、ロンの話し方の練習をするシーンには笑いました。
『アー・ユー』の『アー』の、発音の違いとか… 自分に英語力があれば、もっと面白かったのでしょうが。
というか… 対面した後は、電話もフィリップが担当すれば、良かったんとちゃうかな?
ロンが、KKK と直接話したかったのは、わかるけれども
淡々とした中に、人種差別への沸々とした怒りが垣間見える、ロン。
頭が良くて勇敢だけど、慎重さに欠けるようで…
自宅の住所、バレてるやないか〜。
KKK の過激派がやって来た時には、ヒーッとなりました
“流れ” で潜入することになった、フィリップは…
今まで、自分がユダヤ系だということを、それほど気にしていなかったけれど、潜入して、否が応でも意識することになってしまいました。
KKK の過激派に、ウソ発見器まで使われて、銃を突きつけられ…
元々は、ロンに協力しただけなのに、危険過ぎる
一方、描かれていた KKK のメンバーは、ちょっと抜けているというか…
実際も、こんなんだったのかな?
あの女性に重要な任務はムリやろ
今作は、ロンの回顧録がベースになっているそうですが…
あまりの差別や偏見に絶句ですし、潜入捜査にも驚かされました。
人種差別だけでなく…
人は、悲しいけれど、優越感を抱きたがる生き物なのでしょうか。
そして、集団になると、声高になりやすい。
“人の振り見て我が振り直せ” 胸に手を当ててみることに相成りました。