昨日は《マタイ受難曲》のGPがございました。

1日置いて19日は《マタイ受難曲》本番の日です。

初めから終わりまで一回通して演奏いたしました。

16:30集合でした。

一昨日、ルネ・パーぺさんが歌ってくださるとのことを、知り合いの方にお知らせしましたが、まだその時点では半信半疑でした。

そして18日が《エレクトラ》の初日ですので (なんと、本番の前の日なのに、私も18日に聴きに行くのですが………) まさかこのGPまでいらっしゃるとは思っていませんでした。

そうしましたら、集合時間前にルネさんが、大先生と打ち合わせと練習をしていらっしゃったようなのです。

その時間は会場の中へ入ってはいけないということで、ロビーで待っていましたが、出てこられた時,

ステージで拝見するより細身に見えました。

うーん、かっこいい……足が長〜い、顔が思っていたより小さい。(リートコンサートの時に見た時と不思議なことに、ちょっと違って見えました。)

 

そのまま今の日常の「メフィストフェレ」 といった印象です。

 

あまり表立たないようにステージの横の幕に隠れるように座っていらっしゃいました。

まあ、当たり前の感想ですが、「ああ、本物だ!」という感じでしょうか。本当に「ようこそ」です。

 

《マタイ受難曲》の中のバスの長いアリアの部分はもうプロの方をお願いしてありましたので、合唱団のアマチュアの方が歌う部分を歌われることになったようで、いくつかの役をまとめて歌われることになったようです。

バスの2重唱は、驚いたことに大先生とパーぺさんが一緒に歌われることになったようです。

大先生はテノールですから、本来の音域ではないのですが、指揮をされながら歌いましたが、あわせものの時はやはり、うまくいかなかったので2回繰り返しましたが、楽しみつつ、真剣に練習されていました。

 

しかし昨日のGPは、かなり真剣で、力の入ったものになりました。

オーケストラも、コーラスも、ソロを歌う方も、みなさんいつも、もちろん真剣なのですが、その熱中度がものすごく違っておりました。

もちろん指揮者の大先生も、かなりの熱量で振っていらっしゃいました。

 

こういっている私もかなり楽しかったのです。

集中して歌うことができましたし、パーぺさんのお声もコンサートでお聴きするのと違って裏の姿というか練習の時のお声をお聴きすることができたのですから、またまた興味はそそられます。

イエスの役の方と、バスのソロの方、小さい役を一気に引き受けられているパーぺさんの3人のお声を比べることができてしまうのです。どんなところが違っているのか、何が違っているのか……

パーぺさん以外のお2人も良いお声を持っていらっしゃるのです。

私は特に、バスのソロを歌われる方のお声が大好きなので、特に集中して聴いていたと思います。

 

やはり、世界の一流のお声は、なぜか違います。

もちろん短いフレーズですが、曲の持っているニュアンスがまず違います。今まで別な方が歌っていたのですが、こういう歌だったのだと、全く別物に聴こえることに気がつきました。

決して短い歌だからと適当に歌うことはありません。丁寧にしっかりと歌われます。

これが世界の超一流の証だと思われます。

超一流の証は、周りを揺るがす大声ではありません。言葉のニュアンスを生かしたストレートに響く声なのですね。受難曲の言葉が不自然でなく、へんな節回しもなく響くその声が、うーんやっぱり違う……と感じさせるのです。

他のバスのお2人も良いお声で声量も豊かでいらっしゃるのですが、どこが違うのだろうと考えさせるものがありました。もちろんソリストもいきなり世界のバスと競演になってしまったので、ちょっと皆さんアドレナリンが出まくりで、緊張していらっしゃったと思います。

 

コーラスの緊張度もマックスに近かったように思います。大先生がいみじくもおっしゃっていました。「今日はGPだけれども、楽しいね……」つまり演奏の高まりがかなりあったということのようです。皆さん本番のような集中力、熱中度。

これが本番でもっと高まってくれれば良いのですが………

何しろ、パーぺ効果はすごい。

私も疲れましたが、とても楽しかったのですから………