おんぼろバスで密入国? | いまどこ? ~ 釣り夫婦 世界放浪6年と7ヶ月 いつの間にか、 帰ってきた! ~

おんぼろバスで密入国?

パラグアイからボリビアへ向かう。
もちろんバスだ。


ガイドには30時間とあった。
30時間。南米では、普通の移動時間だ。

さほど長いわけではない。

アルゼンチンから来ると「あっそ」ってな、長さだ。


私たちは、アルゼンチンが長かった。

アルゼンチンのバスの快適さは、世界的に見てもトップクラスだ。

座席は横に3列、枕、ブランケット付き、

温かい車内食と、シャンパンを初めとした飲み物付きだ。


機内食無しのタカ航空なんかより、サービスは充実している。


だから、そもそもの旅の基本、旅の移動のバスは、キツい。

というのを忘れていたのかもしれない。


パラグアイのアソンシォンから

ボリビアのサンタクルスのバスは、きつかった。


まず、出発が1時間半遅れる。

アルゼンチンは、かなり時間に正解だった。

そして車内サービス。


飲み物は付いた。

一応飲める。


ご飯も付いた。

腐っていて悪臭がした。


「こんなもん誰が食べるんじゃい!」

と、星一徹ばりにひっくり返してやろうかと思ったが、

周りの人々は、黙々と食べている。


ふむ。


食べ物を粗末にしたらいけないなぁ。

と、考えを改め、干からびかけのパンをボソボソと食べる。


パラグアイのイミグレには、朝の4時に付いた。

出国スタンプ。


異常なし。


未舗装道路をひた走る。

砂埃がすごい。

息が苦しい。

いつも持ち歩いているブランケットを頭からかぶる。

少しは砂埃を吸わずに済む。


朝の6時。

あれ?

と思う。


出国スタンプは押したが、入国スタンプが無い。


イミグレが2時間も離れているはずない。


やってしまったか、密入国。


ヤバい、イミグレが同じ場所にあったんだ。

トイレとか行ってたから、解らなかったのかも知れない。

ヤバい。

が、ここでバスの運ちゃんに下手に聞いたら、降ろされかねない。

とりあえずサンタクルスまで、行ってしまってから、

大使館なり入国管理局なりに出向いた方が無難だろ。


周りには、民家も見える。

この先にイミグレがあるとは考えられん。

覚悟を決めて、寝る。



昼頃、バスが止まる。

昼ご飯か?

と、外を見ると、あれ?

パラグアイの旗がはためいている。


あれ?


まだパラグアイ?


建物の向こうには、ボリビアの旗。

あれ?

どう見ても、国境だ。


軽い荷物検索。

がスタンプは、まだだ。

もう少し先にあるらしい。


一度は、覚悟を決めた密入国だったけど、違った。


でもさ、

イミグレとイミグレの間がバスで8時間半って、遠すぎないか?


その間、全て未舗装。

当然、バックパックは、きなこ餅のように、ホコリまみれ。

もちろん私たちもホコリまみれ。

アフガニスタンを旅してた時を思い出す。


昼ご飯の弁当は、さらに悪臭。

国境にもイミグレにも両替屋がいなかったので、

ボリビアのお金、ボリバールがなく、しかたなく、さらに干からびたパンをボソボソと食べる。


虚しい。


最近、面倒で、インターネットでも、情報ノートでも、

国境情報を見ていなかったからなぁ。

こんな目にあってしまった。

ま、命の危険は無いので、よしとしよう。


夜の10時。無事にボリビアのサンタクルスに到着。

宿は、レジデンシア ボリバール。

中庭には、トゥカンが2匹、寝ている。


明日の朝はこいつと遊ぼう。