アタシは
なんで泣いてるんだろう。
アイツが走る姿を見ていると
涙が止まらなくなった。
無事にバトンを
繋いだ瞬間
アイツを抱きしめたくなった。
アイツにとって
右手の痛みに耐える苦しみより
最後の運動会を
最後まで戦えない苦しみの方が
堪え難いことなんだということに
気がついた。
転倒直後、
泣きじゃくって踊らないと言い張っていた
表現「エイサー」
アイツは
終始笑顔だった。
アイツが
演目を全うする姿を
父はどんな思いでファインダーを
のぞいていたのだろう。
アイツの
転倒を捉えた時と同じ
第1コーナーで
あの人は
静かにカメラを回していた。
そして迎えた
最後の中間発表。
赤組380 対 白組349
赤組が
逆転していた
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