福島県南相馬市へ
2月10日(金)~11日(土)、臨時休業させていただいて
福島県へ行ってきました。
今度3月17日(金)18時半からくじらぐもにて福島の今を知る
お話会を企画していて、その時話に来てくださる番場さち子さんに
会いに行ってきたのです。
福島に近づくにつれて、高速沿いに電光線量計が設置されて
いたり、屋根など直している家があったり、除染の土を入れた
フレコンバッグの黒い大きな塊のすごい数の置き場があちこちに
増えてきます。
くじらぐもを早朝5時半出発して南相馬市で塾を開いている
番場さんのところへ12時くらいに到着。
昨晩、雪が降って道も心配したけれど、高速は大丈夫でした。
南相馬市もあまり雪は降らないところらしいのだけれど、珍しく
雪が降ったそうでところどころ白かったです。
そこから番場さんの運転であちこち案内していただくことに。
南相馬市の小高区にあるお寿司屋さんでお昼ご飯。
ここのお寿司屋さんは宮城県塩釜から魚を仕入れているそう。
小高地区の町並みを。新しくなった駅前やお店もぽつぽつ
開いていました。
小高地区は震災後避難地区20km圏内で、2016年7月に
避難が解除されたばかりということもあり、まだまだ戻ってきて
いる人も1割くらいということ。
工業高校と商業高校を二つ合併させて新しく校舎を建てる予定だそう。
避難している子も多いため、生徒数が少ないし、まだまだ
町は寂しい印象でした。
次は浪江町にある希望の牧場へ。
浪江町は避難地区4km~30km圏内にあります。
希望の牧場は14km圏内だそう。
希望の牧場 ふくしまは原発事故の生き証人・牛とともに原発を
乗り越える世の中を目指す、非営利一般社団法人。
活動内容:警戒区域内に取り残された被ばく牛の保護・飼育,
自身の被ばくを顧みず牛の世話を続ける農家の支援など。
代表の吉澤さんに会って話を聞くことができました。
入り口のところ。
牧場の広い敷地も除染が始まっていました。
牛は奥の小屋に入っていたのだけれど吉澤さんが出してくれました。
優しい目。 牛たちはのんびり列を作って歩いたり、うれしそうに
スキップするみたいに走っている子もいました。
震災後、2015年1月の資料で餓死や安楽死をした牛は3500頭
くらいという記事を見つけました。
震災後、被爆をした牛たちを飼い主の同意をもらい、安楽死させる指示を
国が出したためです。
吉澤さんのようにそれに屈せず、飼い続けている方もいるのだそう。
この牛たちは肉牛になる予定だったそう。
でも肉になることはなく、生き証人としてここにいるのです。
震災後、原因不明の白い斑点が出る牛もいて専門家の方も
誰も原因は分からないのだそうです。
その後、海岸沿いにあった小学校へ。
地震と津波。鉄筋の建物もひとたまりもない。
遠くて写真が小さいけれど福島原発が奥に見えます。
次は楢葉町の海沿いの公園へ。
楢葉町は20km圏内だけれど、2015年9月に避難解除が
出されています。
奥に見えるのは東電の火力発電所です。福島・新潟の人たちは東北電力で
原発は東京電力なのです。 東電の電気を使っている私たち。
さて夜は、番場さんおすすめのいちばん星という農家民宿へ。
どれもおいしい・・・ 締めは汁物とごはん。
ごはんを食べていたら宿主の星さんのお話も聞けました。
星さんは役場で働いていて復興担当でがんばっていたのだけれど、
担当を外れたことを機に実家の農家を使って家族で民宿を
することにしたのだそう。
いちばん星という名前は、星さんだからじゃなくて、名前を
考えていた時、夜空を見上げたら月と金星が光っていて
月が南相馬市で星が民宿 いちばん星というインスピレーション
からだそうです。
復興と一口に言ってもみんな考え方もやり方もそれぞれ
違う中で、番場さんや吉澤さん、星さんのように自分の想いに
突き動かされてがんばっている人は目立つから応援もあるだろう
けれど非難もあったり、大変だろうな・・・と想像します。
でもその中で、やっぱりちゃんと自分を信じてできることを
行動に移している姿は希望だな、とすごく勇気付けられました。
夜は離れのお風呂でのんびり。
一昨日味噌仕込みを終えて、ぎっくり腰もどきの軽いバージョンに
なってしまっていた私はとにかく、温まれたことがありがたかった。
朝ごはん。
なんといちばん星には動物もいるのです。パンフレットを見たら
やぎも載っていてわくわくしていたけれど、やぎのめいちゃんは
近くにもらわれていたのです。 残念。
でもアルパカ2頭とやく鹿が5頭、猫と犬がいます。
足がレッグウォーマーをはいているみたいでかわいい。
やく鹿がめちゃめちゃ人懐っこくてかわいかった。 体も小さくて
性格もやさしい。
アルパカも鹿もみんな鳴かないので静かでした。 くじらだと
やぎも鶏たちもにぎやかなのであまりの気配の違いに驚きました。
民宿を後にして、またまた番場さんと合流。
震災で子どもを亡くされてずっと探し続けている上野さん宅に
伺ったけれど不在で今回は会えなかったです。
奥は東北電力。
左側の丘が公園になっているのだけれど、そこの東屋で遊んで
いた子はたまたま助かったそう。 右側の橋が途中から新しく
なっているのだけれど、そこは橋が流されたから直したため。
いい波のポイントがあって、サーフィンを楽しんでいる人も
いました。
次は相馬市の相馬中村神社へ。 周りは城下町で面白そうな昔ながらの
お店もありました。
番場さち子さん。すごくパワフルで魅力的な方。 お話会も
楽しみにしていてくださいね。
今回、番場さんとご縁をつなげてくれた理恵ちゃん。
相馬馬追い祭りに合わせてくるのもおすすめだそう。
お昼ごはんは相馬市にあったおそば屋さんへ。 ここは
ボリュームもあって安くてお店も活気がありました。
相馬市にある百尺観音様へ。 大きな岩に観音様が彫られていて
圧巻。 まだ作っている途中なんだそう。 ここにあった甘酒
今度飲んでみたい。
さて、2日間、番場さんが町並みを走りつつ、仮設住宅や復興住宅、
作業の人たちの宿舎、津波がどこまで来たか、震災後の様子、
エピソードなどたくさんたくさん聞かせてくれました。
報道で聞く福島と実際に来てみて感じることは全く違うということも
分かりました。
すごく自分の中で身近に感じられるようになったことも大きなこと。
南相馬市にある道の駅に寄ってお土産も買って、最後に
番場さんの塾でおやつを食べて、帰途につきました。
南相馬市はお菓子のお店が多いのだそう。
シュークリームが安くておいしいところ、おまんじゅうがおいしいところ、
チョコレートがおいしいところ、一見見過ごしちゃうようなお店ばかり。
このアイスまんじゅうも初めて食べるな
3月で震災から6年経つけれど、復興がまだまだなことも分かったし、
放射能のこと、風評被害の問題、差別意識、住んでいる人たちが
いろいろな問題でばらばらに分断させられてしまっていること。
難しいことはたくさんあるけれど、知ることからはじまることも
あるとつくづく感じています。
ぜひ、3月17日(金) 18時半からの「福島の今を知るお話会」に
足を運んでいただきたい、と思っています。
いろいろな考えや思いなど出し合える場になったらうれしい、と
思います。