見え方の質という考え方 | 奈良県 メガネ・ドイツ式両眼視機能検査・視覚認知検査 ジョイビジョン奈良ブログ

昨年に導入したOPD-ScanⅢ (Ophthalmology version) 「見え方の質の追及」に関して、たくさんのケースが集まり、その解釈や解析も熟達してきました。

※OPD-ScanⅢとOPD-ScanⅢVSという機種がありますが、VSに関しては機能大幅省略版のメガネ店での商的要素とデモンストレーション的要素が強い機種であり、当施設での機種とは全く違うものです。解析プログラムが全く違います。

視覚評価の中で最もシンプルな評価に「視力」があります。

視力評価は1.0や0.1等の単純な「良し悪しの評価」として解釈されますが、同じ視力を持つ者同士の比較は考慮されていません。

例えば1.0という視力を持つ100人のグループでも、一人一人が違う見え方の質を持っており、同じ視力であっても「見え方の質」は個々人によって差があります。

 

一般的な眼科・メガネ店は、この視力のみで評価され、眼鏡作成されることによって「なんとなくスッキリ見えない」「薄暮・夜間時の見え方が悪い」という訴えに対し、『視力はでているので問題ありません』という視力を基準にした対応をされているのが現実です。

 

同じ視力であっても、夫々が同じように鮮明感を感じたり、同じように色を感じたり、同じように光を受容していることはありません。

例えば、下記の画像を見比べてみましょう

 

 

上の写真は角膜形状/屈折力解析装置OPD-ScanⅢ (Ophthalmology version) ※(注)で測定した2名の視力表1.0(20/20)の見え方を比較したものです。

対象者は同年齢で比較しており、両者ともに屈折異常・視機能補正後の視力値は同じ1.0です。

※OPD-ScanⅢとOPD-ScanⅢVSという機種がありますが、VSに関しては機能大幅省略版のメガネ店での商的要素とデモンストレーション的要素が強い機種であり、当施設での機種とは全く違うものです。解析プログラムが全く違います。

同じ視力を持つ者同士であるにもかかわらず、上の対象者と下の対象者では見え方が全く違う事が分かります。

この見え方の違いは、後述する眼球全体の高次収差が影響しており、上側は収差が高い眼、下側は収差の低い眼の見え方を可視化したものです。

 

更に、この2人が同じ点光源を見た場合は下記のような見え方の差が出てきます。同じ視力であるにもかかわらずです。

 

更にコントラスト感度のグラフを比較すると、同じ視力なのに大きな差があります。

 

日本では「1.0あるから問題ない」「視力が良い」「0.3しか見えていない・・・」等、視力に固着したエピソードが多く、また両眼視機能に関しても「プリズムメガネ作れます」「両眼視検査」「脳内視力」など体系的な学習を受けず、本来は非常に難しい技術を軽く扱うメガネ店が多くなっています。

当店では屈折検査・両眼視機能検査・視覚認知検査をテストバッテリーするとともに、眼球光学における高次収差の解析を用いることにより、屈折・両眼視機能の補正したグループの中において「見え方の質」を向上することに注力しています。

換言すれば、1.0の視力を持つ100人のグループの中で現状がどこに位置するかを解析し、そして同じ視力を持つグループ内での質向上に努めるという事です。

見え方の質という観点で視覚を考えた場合「視力1.0だけど、同じ視力を持つグループ100人の中で100番目の質の眼」と「視力0.7だけど100人中1番高い質の眼」を比べた時、どちらが良いと言えるでしょうか?

収差の影響で視覚対象が滲んだり光が拡散する。だけども視力1.0の眼が良いのか?

視力は0.7だけど、収差の影響を受けず、視覚対象は一定の距離に近づけばコントラストが高く滲みもなく眩しさを感じない眼が良いのか?

比較する視力値が近い場合は答えやすい問いですが、比較する視力値に差が出た場合には答えが出にくい問いであり、「見え方」というものに向き合うことになると思います。

当店においては、視力・両眼視機能ともに対象者にとってベストな状態を出して、そのうえで比較する事が困難であった「見え方の質」を解析し、そして質低下を補完するパーフェクションレンズを装用することで、視力や視機能などの数値上の個人内差の乖離を埋めるだけでなく、感覚的要素であった質の問題を埋めることができる可能性があります。

 

見え方にお困りの方はご相談ください。