浅田次郎 「終わらざる夏」(上)

1945年、夏。
すでに沖縄は陥落し、本土決戦用の大規模な動員計画に、国民は疲弊していた。

東京の出版社に務める翻訳書編集者・片岡直哉は、45歳の兵役年限直前に赤紙を受け取る。

何も分からぬまま、同じく招集された医師の菊池、歴戦の軍曹・鬼熊と、片岡は北の地へと向かった。

「国民としての義務が、父としての義務にまさるなど、あってはならないはず。
戦争は人間の思想や倫理や哲学をことごとく破壊する、超論理の無茶です

戦争の理不尽を描く歴史的大作 !